関連するSDGs目標
セイコーグループでは、社員の働きがいを高めイノベーションの創出を通じて、ソリューションカンパニーを目指すため、人材開発や多様性の向上、組織風土づくりに取り組んでいます。
基本方針
グループコア戦略の一つである人材戦略においては、複雑化する社会課題の中で新たな価値を創造できる「人材の育成」、 変化に強い組織づくりに向けた「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」、社員の意欲・能力を最大限に引き出す「社員エンゲージメントの向上」を重点テーマとして設定し、各取り組みを推進しています。
2022年度の進捗
2022年度は基本方針に基づき、グループ全体・各事業会社の個別の取組みについてそれぞれの計画を策定しました。また、各計画の実行にあたっては、人材面での課題について、あるべき姿と現状とのギャップを把握した上で、その解消に向けた施策をスピーディーに実行していくために、現状把握の取組みの一つとしてエンゲージメント・サーベイを実施しました。
2023年度の取り組み
エンゲージメント・サーベイの結果から、新たなイノベーションを創出するために必要な組織風土の改革やグループ内外でのさらなる連携強化と、組織の中核として経営計画の推進に取り組んでいるミドルマネジメントの支援の必要性を認識し、新たに人材戦略の柱として「組織風土・文化づくり」を加えるとともに、今年度以降の重点テーマに反映しました。また、これまでも積極的に取り組んできた「健康経営」 「人権の尊重」についても人材戦略の基盤となる活動として位置づけ、ソリューションカンパニーに向けた人材戦略の骨子として再整理しました。
当社グループの価値創造ストーリーを支える最も重要なアセットは人材であるという認識に立ち、これからもグループ社員が持てる能力を最大限に発揮し、個々人の成長と自己実現を図ることができる仕組み・環境づくりに取り組んでいきます。
人材の育成
人的資本への積極的な投資を通じて、社員の働きがいを高め、
全員でソリューションカンパニーを目指します
セイコーグループは新たな価値創造への挑戦の歴史を通じて、現在では多岐にわたる事業を展開しています。当社グループの中には、それぞれの分野において高い専門性を発揮する社員が多くいますが、グループ一丸で新たなイノベーションを起こしていくためには、そうした多様な社員が物理的にも精神的にも組織の壁を越え、自由闊達に議論し、失敗を恐れずに新たな価値を生み出していくことが必要であると考えます。
セイコーグループでは、そうした人材が活躍する基盤・環境づくりとして、これまで以上に、人材開発や組織風土づくり、多様性向上などの人的資本の分野に積極的に投資していきます。社員の働きがいを高め、全員でソリューションカンパニーを目指せる環境づくりに取り組んでまいります。
執行役員 経営管理本部 副本部長
(人事・総務担当)田嶋 直樹
DXスキル強化プログラム
2022年度より国内の全社員を対象にDXスキルの底上げを目的としたプログラムをスタートしました。初年度に全10時間の基礎編を完了後、2年目以降にはデータドリブン編・生成AI編など、目まぐるしく進歩するDX分野のトレンドを取り入れながら、グループ全体でDXの基礎力を高めるプログラムを順次計画・実施しています。
また、デジタルを事業と融合させ、新たなビジネス創出につなげるための実践的なプログラムも導入し、新事業創出のスピードアップに寄与する人材の育成にも取り組んでいます。
マネジメント力強化のための取組み
経営・事業計画の達成に向けて社員一人ひとりが目的・目標を理解して業務に取り組み、チームとして成果を最大化することを目的に、職場のマネージャーを対象としたマネジメント力強化ためのプログラムを2021年度より実施しています。さらに、社員の主体性を高めていくため、マネージャーが部下の積極的な意見やアイデアを引き出すためのコミュニケーション・ファシリテーションスキルを高めるプログラムも導入していく計画です。
経営幹部候補人材の育成
複雑化する経営環境の中で、企業価値を高め、サステナブルな成長を実現していくには、グループの経営や各事業の推進を担う経営人材の計画的育成が必須です。今後、経営に必要なリテラシーの習得と経営者として必要な経験の付与を計画的に行う仕組みの構築に取り組んでいきます。
ダイバーシティ&インクルージョンの推進
女性活躍支援の取り組み
当社グループでは、2013年度から各種制度の導入をはじめとする環境の整備や意識改革など、女性活躍推進に取り組んできました。女性の活躍を推進するためには、女性のみならず全社員の意識改革が重要であるとの考えの下、全社員を対象とした教育プログラムも推進しています。
2023年度は、導入済みの時差勤務制度に加え、在宅勤務制度の拡充を行いました。また、教育プログラムの一環として、役員を含めた全社員を対象としたアンコンシャス・バイアス研修やeラーニングの実施を予定しています。今後も、より多くの女性社員がキャリアアップを目指していくための環境づくりを行っていきます。
両立支援の取組み
当社グループでは、仕事と育児の両立支援も積極的に行っています。2022年度には、男性の育児休業取得促進のため、出生時育児休業を有給化したほか、グループ社員に向けたトップからのメッセージ発信、男性育休取得促進をテーマにしたセミナー開催など、職場の上司や同僚からの理解も促進し、仕事と育児の両立を行いやすい風土づくりに取り組んでいます。
取組みの結果、2022年度の男性育児休業取得率は46.7%となり、前年度に比べ23.6%向上しました。
柔軟な働き方を実現する仕組みの整備
働き方に対する価値観が多様化するなかで、社員が活き活きと働くためには、場所や時間にとらわれず、生産性高く働くことができる環境・仕組みづくりが重要だと考えています。リモートワークを実現する在宅勤務制度の導入はもちろんのこと、効率的な働き方を実現するシェアオフィスを利用した勤務を試験導入しており、企業の垣根を超えた人材交流の機会にもなっています。
介護休業・介護短時間勤務
セイコーグループ(株)は、介護休業・介護短時間勤務において法定を上回る制度を整えています。
介護休業 | 休業期間は、対象家族1人につき通算して365日まで。 |
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介護短時間勤務 | 適用期間は利用開始から3年まで。 定められた勤務パターンから選択し、短縮時間は90分もしくは150分の短縮となる。 |
上記のほか、介護フレックスタイム、在宅勤務を導入しています。
シニア人材の活性化
定年年齢延長や高齢者雇用の処遇改善により、知識・経験・スキルを所属部門へフィードバックし、後進の育成や業務の改善に貢献できる環境を整備しています。
障がい者雇用
ダイバーシティへの対応の一環として、障がい者雇用も積極的に進めています。当社および事業会社計8社は、特例子会社制度によるグループ適用の認定を受け、2023年6月1日現在の障がい者雇用率は2.4%と、法定雇用率(2.3%)を上回っております。
社外経験を有する社員の採用・登用
多くの経験者採用社員が、事業創造やデジタル推進などの高い知見が求められる分野で活躍し、社外の多様な経験を活かした新しい価値創造に取り組んでいます。こうした社員にはマネジメント層に登用される社員も多く、会社の重要な意思決定に携わる社員も年々増えています。また、入社された方の定期フォローアップの仕組みも導入し、早期活躍・定着の支援体制を整えています。
社内外の知見を活用した価値創造を推進するためにも、人物本位で公平・公正な登用をさらに徹底し、経験者採用の社員の活躍を推進していきます。
挑戦を後押しし、イノベーションを創出する組織・文化づくり
全社組織風土改革の取組み
2023年度より、「新たなイノベーションを創出していくために必要な組織風土づくりやグループ内外でのさらなる連携強化」を目的に、組織風土改革「SWING Project」をスタートしました。
SWINGはSeiko(セイコーグループが)、 Will(意思を持ち)、Identity(主体性があり)、Natural(ありのままで)、Glory(誇りを持てる)のそれぞれの頭文字から取っており、組織文化・風土をSWING(うねりのように揺り動かす、変化させる)という思いを込めています。
まず第一歩として、物理的な壁を取り払う活動として、「オフィスでの服装の自由化」「グループ内での役職・敬称の廃止」「コミュニケーションを活性化する新たな職場づくり」を行いました。「コミュニケーションを活性化する新たな職場づくり」においては、グループ各社で社員の意見を取り入れながら、座席のフリーアドレスやリフレッシュエリアの設置、役員の個室廃止などに取り組みました。
また、社員がグループ経営幹部との直接的な対話を通じて、経営や事業戦略への主体性を高めるための取組みとして、経営幹部との対話の場を設けています。
今後も組織や立場を超えて自由闊達に議論できる組織風土・文化形成に寄与する取組みを順次展開していきます。