関連するSDGs目標
当社グループでは、サステナビリティ方針を定め、事業活動を通じて地域・社会の繁栄、地域・社会との共存を実現するため、さまざまな活動に取り組んでいます。
方針・基本的な考え方
事業活動を通じて、当社グループのたゆみない成長とともに持続可能な社会発展に貢献するというサステナビリティ方針のもと、お客さま、サプライヤー、社員、地域・社会、株主・投資家との共生を目指し、事業活動に取り組んでいます。
事業活動と社会課題解決がより連携した取り組みの実現を目指して、優先的に取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定し、当社グループの事業の強みを生かした社会貢献活動を行うことで、持続可能な開発目標(SDGs)達成へ貢献していきたいと考えています。
次世代育成活動「時育®(ときいく)」
「時育®(ときいく)」は、グループパーパスにある“笑顔であふれる未来を創る”ため、次世代を担う子どもや若者たちが「時」の大切さを学び、自ら考える力を「育む」ことを目指した活動です。「時を学び 未来をつくる」をコンセプトに、「時・時計」「スポーツ」「音楽」「環境」といった様々な分野の体験プログラムを提供しています。日本各地に加え海外でも開催され、これまでに累計10,000人以上の児童・生徒が参加しました。
当社グループでは、子どもたちの笑顔を世界中に広げるため、「時」という視点から、本物に触れる“わくわくする体験”の提供を通して、子どもたちの豊かな個性・人格形成を支援します。
「時・時計」から学ぶプログラム
「セイコーわくわく時計教室」の開催を通じて、今、当たりまえに存在する「正確な時間」を知る方法を作りあげた人類の知恵を「学び」、時と時計の面白さを、技術や役割、職人の技を実際に体験しながら「知り」、そして、豊かな未来の時を実現する方法を自ら考え、周囲と協力して「作る」ことの大切さを伝えています。24年11月には、銀座四丁目のSEIKO HOUSEで「セイコーわくわく時計教室~日時計編~」が開催されました。子ども18名と保護者19名が参加し、時計の歴史について学び、機械式腕時計の部品探しや時計職人体験ネジ入れゲーム、オリジナル日時計づくりと日時計の実験を行いました。
また、経済産業省のウェブサイト「未来の教室」STEAMライブラリーでは、「時計の技術革新を学び、未来の『豊かな時』を探究する」をテーマとする動画プログラム教材を公開しています。


「スポーツ」から学ぶプログラム
「セイコーわくわくスポーツ教室」の開催を通じて、世界で活躍するアスリートから実技を交えて体を動かす楽しさを学ぶ機会や、世界大会で使用する計測機材を使った体験を提供しています。本物の計測機材から記録が生まれる瞬間を体験するなど、選手と技術に触れながら、スポーツと時について考えるプログラムです。
2024年5月19日に国立競技場で開催されたセイコーゴールデングランプリ陸上2024東京で、セイコーわくわくスポーツ教室リレー編を開催しました。100m・200mの日本記録保持者でセイコースマイルアンバサダーの福島千里さんをメイン講師に、元日本代表の髙平慎士さん・江里口匡史さん・髙橋萌木子さんをゲスト講師として招き、都内の陸上クラブに所属する小学生男女135名への実技指導と、本番と同じ会場・計測機材で4×100mリレーのタイム計測を実施しました。

「音楽」から学ぶプログラム
「セイコーわくわく音楽教室」では、子どもたちが心から音楽を楽しめるよう、プロのアーティストが直接子どもたちにレクチャーします。楽しさだけでなく、プロならではの音楽に対する真摯な姿勢や、努力することの大切さなども伝えるプログラムです。音楽は「時間の芸術」。生活のなかに音楽があふれる今だからこそ、自身が奏でる音楽で人とつながる素晴らしさを体感できます。2024年8月24日には札幌芸術の森にて、アメリカで活躍するプロジャズミュージシャンを招き、札幌ジュニアジャズスクールの子どもたち、約40名に対して、熱い指導を行いました。
「Seiko Summer Jazz Camp」は、世界で活躍する一流のジャズ・ミュージシャンを講師に迎え、将来ジャズ・ミュージシャンを目指す日本の若者に、ジャズの演奏技術と理論、楽しみ方や音楽との向き合い方などを指導する5日間のプログラムです。参加者は講師による厳正なオーディションで選ばれます。2024年も、全国から集まったオーディション合格者約40名が参加しました。本年は台風のため1日カリキュラムが短くなってしまいましたが、最後のガラコンサートでは、それぞれが4日間の練習の成果を発揮し、素晴らしい演奏を見せてくれました。

「環境」から学ぶプログラム
「セイコーわくわく環境教室」は、生物の多様性がなぜ大切なのか、豊かで持続可能な森をつくるために私たちに何ができるのかを体験を通して考えるプログラムです。腕時計の生産拠点・岩手県雫石町で、インセクトホテル制作のワークショップを通じて、生き物たちの目線で「時」を考えます。
24年7月には、盛岡セイコー工業で、「セイコーわくわく環境教室」が開催されました。子ども18名と保護者18名が参加し、生物多様性を学び、葉っぱや花を使った万華鏡づくりや虫たちが過ごすインセクトホテル作りを行いました。


地域コミュニティとの関わり
当社グループの国内・海外法人と代理店は、それぞれの地域に密着した地域振興活動や環境保全活動、ボランティア活動に参加することで、地域活性化への貢献に努めています。
“わ”で奏でる東日本応援コンサート
2011年の震災直後から、当社は被災地で復興支援コンサートを毎年行い、2013年からは「"わ"で奏でる東日本応援コンサート」として東北3県と東京で開催しています。音楽家の故・前田憲男さんを初め、被災地に思いを寄せる数多くのアーティストの方々に出演いただき、現地の音楽愛好者と共演して、絆を深める場となっています。震災から13年を迎えた2024年3月10日には通算46回目となるコンサートを、東京国際フォーラムホールAで開催。北村英治さん、八神純子さん、伊東ゆかりさん、松平健さん、森山良子さんらのアーティストにご出演いただきました。
セイコーは被災地の方々と一緒にコンサートをつくり上げることで、人々の心に希望の灯をともし、復興の“わ”を拡げる音楽の力を感じてきました。東北への思いを込めた「あの時をわすれない。進み続けるために。」とのメッセージを胸に、前に進む希望を、日本全国へ音楽の力で届けます。

盛岡セイコー工業における地域とのエンゲージメント
盛岡セイコー工業(株)は、2008年度から継続的に「地域とはじめる環境報告会」を開催しています。周辺住民、および県内の自治体や企業を対象とするこの報告会では、工場内や屋外緑地の見学、環境活動の紹介を行い、自然との共生を大切にする「ものづくり」の姿勢を地域と共有してきました。第17回となる2024年10月16日には、16名の方が参加して行われました。
また、岩手県、セイコーウオッチ(株)、盛岡セイコー工業(株)の三者で、地方創生および持続可能な地域社会の実現に向けて共に活動することを目的に、2021年に締結した包括連携協定に基づき、久慈市平庭高原に広がる白樺林の保全活動に年3回参加しています。2024年は、当社グループより合計140名の社員が本活動に参加し、白樺370本、レンゲツツジ368本を植樹しました。2022年に完成したビオトープ「わくわくトープ」は、岩手県立大学との共同研究により設計から管理・運営まで行っており、「生き物調査」を実施するなど、地域との連携をますます充実させています。
こうした活動を通じた環境保全への貢献実績が認められ、盛岡セイコー工業(株)は、2023年度の緑化優良工場等表彰(通称:全国みどりの工場大賞)において、「東北経済産業局長賞」を受賞。2024年度には敷地内にある「わくわくの森・わくわくトープ」が、環境省より「自然共生サイト」に認定されました。


「PADI」等と協力した海洋保全活動
スポーツウオッチブランド<セイコー プロスペックス>は、世界最大のダイビング教育機関「PADI」および「PADI Aware 財団」が取り組む海洋保護活動「Marine Debris Program(マリン・デブリ・プログラム)」への支援を2021年から開始しました。セイコーのダイバーズウオッチを愛用くださるダイバーや、大いなる海への感謝の気持ちを込め、<セイコー プロスペックス>Save the Oceanシリーズの売上の一部をPADIに寄付し、海底のゴミを取り除くDive Against Debris 活動を共に行っています。
また、世界中で現地法人の社員自らが参画し、PADIと共同で海洋保護活動に取り組んでいます。


セイコーインスツルの森
セイコーインスツル(株)幕張事業所は、2014年8月に千葉県と「法人の森協定」を締結し、千葉県の九十九里浜沿いにある「セイコーインスツルの森」にてクロマツの植栽を行っています。2023年度は千葉県森林組合に委託し、下刈や防球ネットの修繕を行いました。2023年4月には2回目の協定を更新しクロマツの成長を見守り続けています。

地域での清掃活動
当社グループは、国内外の事業会社ごとの事業所周辺や沿道などの清掃活動を定期的に行っています。
エスアイアイ・クリスタルテクノロジー(株)では社会貢献と健康づくりをかねて、毎年10月に近隣の永野川周辺の清掃活動を実施しています。2023年度は67名の社員が参加し、5チームに分かれて担当エリアを清掃しました。
セイコーインスツル(株)大野事業所では毎年5月と10月に地域貢献の一環として事業所周辺清掃活動を行っています。毎回、20名程度の社員が参加し、清掃や草刈りを行い事業所周辺道路の美化に努めています。また、事業所周辺清掃活動を通じて「市川市市民マナー協力団体」にも登録しています。
セイコーインスツル(株)仙台事業所では、定期的に近隣の広瀬川周辺や事業所周辺の地域清掃を実施しています。2023年度は併せて約30名が参加しました。



共同開発による技術振興
セイコーフューチャークリエーション(株)の先行開発部は、Seiko Manufacturing (Singapore) Pte. Ltd.のResearch & Development Departmentを海外研究開発の拠点として国家研究機関や大学と共同で開発を推進しております。
