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セイコーグループは、2025年8月に女性活躍推進企業として「えるぼし(3つ星)」の認定を、そして同年10月には、子育てと仕事の両立を支援する優良企業として「プラチナくるみん」の認定を、いずれも厚生労働省より受けました。

中期経営計画SMILE145のなかで掲げた「人材育成」と「DE&Iの推進」を進めるなかで、具体的にはどのような取り組みがこれらの認定につながったのでしょうか。グループ全体の目指す方向性と具体的な施策、そして実際に制度を利用した社員の声についてご紹介します。

女性活躍と育児の応援。認定につながる施策とは

「えるぼし」と「プラチナくるみん」とは、どのような制度なのでしょうか。また、どのような取り組みが認定につながったと思われますか。

― 中川さん:「えるぼし」は、女性が活躍しやすい職場環境の整備に積極的に取り組む企業に向けた認定制度で、5つの項目において職場環境の整備が求められます。認定は1〜3まで星の数があり、さらに上位にはプラチナという基準も設定されていますが、セイコーグループは今回、初めての認定で最高位の3つ星をいただくことができました。

「プラチナくるみん」は子育てと仕事の両立を支援し、「くるみん」認定企業のなかでもさらに高い水準の取り組みを継続した企業が認定されるものです。セイコーグループは2013年から女性活躍推進に取り組み、2015年には「くるみん」認定を受けていました。

制度面でのサポートを拡充するだけではなく、スキルアップやマインドチェンジなど、やる気を後押しするチャレンジを続けてきましたが、なかでも男性社員の育休取得率アップが、今回の認定につながったと考えています。

中川さん 画像

入社当時から女性が働きやすい企業ではあったものの、時代と共に制度がさらに充実してきたと語る、中川 博美執行役員。セイコーでは、男女雇用機会均等法の施行以前から先進的な制度が整っていたと語る高橋 修司社長のインタビューはこちらから。

― 相模さん:男性社員の出生時育児休業は、「産後パパ育休」とも呼ばれる制度で、子どもの出生後8週間以内のお休みが最大4週間まで有給となります。2022年の制定以降、取得率は100%(※)となっています。(※事業会社は含まず)

その他の制度としては、2023年に全社員に導入された在宅勤務制度や、始業・終業時刻を1時間繰り上げ又は繰り下げることが可能なセレクティブタイム勤務制度、それから育児や介護中の方のために、短時間勤務制度やフレックスタイム勤務制度もあります。

これらの制度は現在、女性社員の利用が多く、男性社員の利用はまだ少ないのですが、育児や介護の両立を支援するための制度ですので、「産後パパ育休」と同じように活用してもらえたらと思っています。

▼セイコーグループ(株)および国内事業会社8社の育児休業取得率

セイコーグループ(株)および国内事業会社8社の育児休業取得率 画像
詳しくはこちら(ESGデータ)
相模さん 画像

具体的な制度や取り組みについて教えてくれたのは、グループHR戦略部の相模 咲子さん。「セレクティブタイム勤務や在宅勤務は全社員に導入されているため、育児・介護等の事情に限らず、多くの方に活用されています。」

― 相模さん:私たちセイコーグループでは、より多くの方に制度を活用いただけるように、例えば、社内セミナーでは高橋社長からのメッセージを発信したり、育休取得を促進するセミナーを開催しています。また、グループ社員の育休体験を社内で共有する取り組みも行っています。

また、育児や介護に関する制度のほかにも、無意識の偏見であるアンコンシャスバイアスや、LGBTQ理解促進を目的とした人事担当者向けセミナー、女性活躍については「Seiko Woman Academy」という約半年間にわたる研修を実施するなど、多岐にわたるテーマに取り組んでいます。

― 中川さん:「Seiko Woman Academy」は管理職手前にいる女性社員に向けて、前向きに上位キャリアを目指せるよう設計された研修プログラムです。グループ内には製造会社や、女性社員が少ない職種もありますので、グループ全体での女性同士のネットワークを構築しながら、自分の強みを知り、目指すべきリーダー像を描けるようになってもらうことを目的にしています。

中川さん 画像

女性活躍の取り組みが評価された「えるぼし」認定の反応を尋ねると、「両立支援や女性活躍に対して会社が積極的に取り組んでいることをより広く知ってもらえるきっかけになったと思います。これから子育てを考えている若い年代の女性社員にも、安心して前向きにキャリアアップを考えてもらいたい」と中川さん

はじめての育休。頼りになった「育休制度ガイドブック」

金野さんは、2025年に出生時育児休業を取得したそうですが、どのように育休期間を決めたり周囲に相談したのか、その時のことを教えていただけますか。

― 金野さん:私は以前から、子どもが生まれるときは育休を取りたいと考えていました。妻ともそのように話していましたので、取得することは前提で、問題はどのくらいの期間にするか、ということだったんです。当初は1年間取れたらいいなとか、せめて2ヶ月以上休みたいなと考えていたんですが、ちょうど非常に大きなイベントの時期と重なったこともあって、妻が里帰り出産から帰京した後の32日間、お休みをいただくに至りました。

金野さん 画像

音楽ブランディング部の金野 隼さん。育休取得時スポーツブランディング部を兼任しており、セイコーがオフィシャルタイマーを務める「東京2025世界陸上」が控えていた

― 金野さん:私の部署は3名体制のため、1人が休むと他の2人の負担が大きくなってしまうのですが、皆さん育児経験者で理解があり、「できるだけ休んでいいよ」と声をかけてもらえたことが心強く感じられました。引き継ぎなど育休前の準備は少し大変でしたが、育児制度ガイドブックを見ながらTo Doを明確にして、わからないことは人事部に相談しながら進めることができました。

育児制度ガイドブックとは、どのような内容ですか。

― 相模さん:産後パパ育休制度が始まった2022年に作ったものです。私自身も産休・育休を取得したんですが、その時いろいろな書類を読み解くのが少し大変だと感じました。もっとシンプルでわかりやすく、できたらパートナーと話し合う時にもちょうどいいものが必要だと思って作った冊子です。

制度の概要や産休・育休のさまざまな取得パターン、部下やチームメンバーに対するポイントに加え、男性社員の方に向けたメッセージや、育児に理解のあるボス、通称・イクボスのマネジメントなどをコンパクトにまとめています。実際に育休を取得する方と、その周りの方にとっても、理解を深められる内容となるように工夫しています。

育児制度ガイドブック 画像

― 金野さん:私自身も、妻と一緒にこのガイドブックを見ながら、どういう育休の取り方がいいかを相談しました。給付や収入に関する説明もわかりやすく、「出生時育児休業は全て有給だが4週間までで、もっと長く休むとなると給与が減る分はどう捉えるか」といった、現実的なことも話し合いやすかったです。

私の場合は、出生時育児休業と育児休業を組み合わせ32日間休みましたが、その間は会社のメールを見ることも、電話がかかってくることもありませんでした。育休を申請する際、一定の範囲であれば育休期間中も就業が認められるのですが、両立は難しいと思い希望しなかったんです。おかげで育児や家庭のことに集中できましたが、育休を終える頃には、社会とのつながりを求める気持ちも生まれました。

育休中はどのようにお過ごしでしたか。

― 金野さん:育児を通じて、世間のママたち、パパたちの凄さを実感しました。育児は普段の仕事とは違う大変さがあり、自分の時間なんて全く取れなかったです。今までも家事はしていましたし、自分はイクメンになれるだろうと思っていたのですが、掃除や洗濯だけでは全く足りない、いわゆる「名前のない家事」がたくさんあるんです。今はまだ妻が育休中なので、在宅制度などを使うことで足りていますが、将来的にまた状況が変われば皆さんと相談させてもらい、うまく育児と仕事を両立していきたいです。

インタビューの様子

お子さんが生まれた日、セイコーアスリートである山縣亮太選手の練習をサポートしていたという金野さん。「娘が生まれましたと最初に報告した相手は山縣選手でした」

10年の積み重ねは「全員活躍」の実現へ

2015年の「くるみん」認定からちょうど10年後に「プラチナくるみん」と「えるぼし」認定となったわけですが、この10年における組織風土の変化や、新たな課題などがあれば教えてください。

― 相模さん:高橋社長のコミットメントのもと、制度整備や社内への浸透に向けたさまざまな取り組みが進められてきたことで、社内の風土も徐々に定着してきていると感じています。育児休業の取得についても、制度拡充前と比べて心理的なハードルは低くなりつつあり、身近な取得経験者が増えたことで互いに相談しやすい環境が醸成されてきています。中には男性管理職自身が取得経験を活かしてアドバイスやフォローアップされるケースもあり、イクボス的マネジメントも拡がっています。

一方で、育休や産休を取得しないチームメンバーへの配慮や、あるいは、部下が育休で不在になる現場を管理する中間層への支援など、依然として課題もあります。こうした点については、今後も取り組みを重ねながら、継続的に改善していきたいと考えています。

相模さん 画像

― 中川さん:女性活躍推進や介護・育児との両立支援については、この10年、施策の改善を重ねながら徐々に浸透してきたと思います。セイコーグループは「働きがいの実現と多様な人材の活躍」をマテリアリティ(重要課題)として推進しており、社内制度の拡充は最初の一歩だと言えます。

ただ我々にはグループ会社がたくさんありますので、例えば職種によっては在宅勤務が難しいなど、できることとできないことが事業によって違うので、それぞれ職場のニーズに合わせて働き方も考える必要があります。グループ全社が横並びで同じことをするのではなく、各事業所に合わせた必要な改革をグループ会社と一緒に考えることをしていかなくてはいけません。

また今後でいえば、高齢化社会に向けて、今まで以上に介護の方が大きな課題になってくると思います。介護についてもマニュアルの整備や仕事と介護の両立をテーマとしたeラーニングを実施したりしていますが、今後もいろいろな課題が出てくると思いますので、社員の課題に寄り添い、必要な対応を検討していきます。

社会だけでなく、社内でも社員の高齢化という課題があります。これまでは早く若手に活躍してもらえるようにと努めてきましたが、今後は若手の活躍と合わせて、ベテラン社員の活躍の場も広げて行きたい。セイコーグループの社員一人ひとりがそれぞれの「時」に合わせて安心して働ける職場環境を目指して、これからも取り組んで行きたいと考えています。

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