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未来に向けて笑顔で過ごす3月11日。“わ”で奏でる東日本応援コンサート2022開催

取材・文 やなぎさわまどか

未来に向けて笑顔で過ごす3月11日。“わ”で奏でる東日本応援コンサート2022開催

2022.04.01

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2022年3月11日、東日本大震災から11年を迎えたこの日、「“わ”で奏でる東日本応援コンサート2022 in 東京」を開催いたしました。

岩手、宮城、福島の東北三県および東京を繋ぎ、音楽家の故・前田憲男さんと共に2011年から取り組んできたこのコンサートも38回目。これほど多くの開催を可能にしたのは、被災した方々による思いと行動の力でもありました。2011年の震災直後、被災地での支援活動から端を発して、少しでも応援の気持ちを届けられるようにと取り組み始めましたが、時が経つにつれ、被災者の方々自らが参画してくださるようになったのです。これまでに東北三県で29回、東京では8回開催するに至りました。

長引くコロナ禍と重なりつつ、11年という月日が経過してもなお、いまだ解決しない課題も山積しています。わたしたちセイコーはこれからも引き続き、本当の復興へと向かうたくさんの心に寄り添えるようこの取り組みを継続して参ります。

2年ぶりに有観客での開催となった「“わ”で奏でる東日本応援コンサート2022 in 東京」の様子をご紹介します。

銀座・和光のショーウインドウでの特別ディスプレイ

今年のコンサートテーマである「笑顔の向こうに」にちなんで、和光ウィンドウには「スマイル」の写真を特別展示。多くの方が足を止め、写真や動画を撮る方も。

写真 落合直哉

今年のコンサートテーマは「笑顔の向こうに」

明るい未来を描く力になることを願い、今年は「笑顔の向こうに」をテーマにして準備をしてきました。コンサートの開始挨拶は、実行委員長でもあるセイコーグループ株式会社CEOの服部真二。震災直後から定期的に東北三県に赴いていたものの、コロナ禍以降は訪問をひかえていたこともあり、今年の再訪を約束しました。

まだ復興したとは言い切れない各地の人々に思いを馳せ、11年目に改めて、今後の活動継続を言葉にします。

(服部真二CEO)「被災された方々の心も復興する日まで、私たちにできることを続けていきたいと思っています。今日のコンサートでは、世界的なパンデミックに加えて、世界平和を願わずにはいられない状況だからこそ、多様な価値観を認め合い、お互いを尊重しあおうという気持ちを発信したいです。そうしてみんなが笑顔になれたとき、明るく平和な未来が訪れて欲しいと願っています」

服部真二CEO 写真

「この活動はまだまだ15年、20年と続けていきたい」と話す服部真二CEO。この日は自らも、往年の名曲「Put your Head on my shoulder」と、笑顔の影響力を歌った「When You’re Smiling」を披露した。

写真 落合直哉

華やかな出演アーティストが次々と

無観客での開催から一年が経過し、2022年は万全の注意を払いながら会場のお客様と一緒にコンサートを迎えることができました。開演直前、徐々に熱気を帯び始めた会場でご来場の方々にうかがうと、「11年前はまだ幼稚園生だった子どもに、この日のことをちゃんと伝えたくて毎年来ています」と教えてくれたご家族や、「震災で亡くなった方と前田憲男さんへの追悼で来ました」と言う方、そして「好きな歌手ばかりで嬉しい」「渡辺真知子さんの笑顔で元気になりたくて」「人生ずっと伊東ゆかりさんを追いかけてる」といった出演アーティストへの期待など、さまざまなお声が聞けました。

幕が開けると、ビッグバンドのウィンドブレイカーズと東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団弦楽アンサンブルの演奏と共に、まずは慶應義塾ワグネル・ソサィエティー合唱団による2曲でスタート。

続いて、グループ結成43年となるサーカスの皆さんがステージに現れると、会場は一段と明るさを帯びます。東北にも頻繁に通うサーカスの皆さんは、本コンサートにも連続で出演してくださっています。この日は、1枚の写真から感じるぬくもりを歌った『家族写真』と、コンサートテーマに合わせて『夜空ノムコウ』を披露してくれました。

サーカス(左から叶高さん、ありささん、正子さん、吉村勇一さん)の皆さん 写真

サーカス(左から叶高さん、ありささん、正子さん、吉村勇一さん)の皆さんは「4人のハーモニーで、ぬくもりも4倍にして届けたい」と積極的に被災地との関わりを続ける。

写真 落合直哉

(サーカス・叶ありささん)「被災地に行くと、お礼を言われることもあるんですが、私たちが何か支援をしてるというよりも、一度行った場所で仲良くなったお友達に会いに行くような関係性でいたいと思っています。東北へ呼んでもらえたら嬉しいし、呼ばれなくてもどうしてるかな、と考えることもあります。直接しか聞けないような被災経験のお話も多く、もちろん悲しみもいっぱいあるんですが、その上に楽しい思い出をたくさん重ねていけるように、これからもずっと会いに行きたいです」

(サーカス・叶高さん)「何十回も被災地にお邪魔してますが、希望を見つけられた人もいれば、未だに見つけようとしている人、見つけられなくて大変な思いをしている人にもお会いします。色んな方がいることを忘れずに、意識して歌を届けていかなくてはと思います」

サーカスの素晴らしい混声ハーモニーに聞き惚れた次は、思いっきり笑顔の渡辺真知子さんが登場。東北でも東京でも、本コンサートでは何度もご出演いただき、いつも弾けるような元気を分けてくれる存在です。今年聞かせてくれたのは、東北の海に気持ちを向けて『かもめが翔んだ日』と、未来への希望を込めた『唇よ、熱く君を語れ』でした。

渡辺真知子さん 写真

「世界が暗いときこそ、明るく振舞ってバランスを取りたい」と渡辺真知子さん。

写真 落合直哉

(渡辺真知子さん)「必要なのはやすらぎだと思います。息を抜いて、気持ちをリラックスさせて、そして少しだけでいいから先を見て、まずは一歩を進められるように。11年が経ち、みんなで手を繋ぎ直す時でもありますね。いつものテンポで良いから、まずは1歩ずつ。まだまだ私も、皆さんとご一緒させていただきたいと思います」

開幕から一気に盛り上がり続ける中、次は八代亜紀さんがステージへ。2016年には故郷・熊本を震源地とした熊本地震もあり、日本各地の被災地を思いながら作られた『だいじょうぶ』には多くの人が励まされた記憶もまだ新しいです。同曲の優しい響きに続き、力強い声が沁みる『舟唄』も聞かせてくれました。

八代亜紀さん 写真

ステージを終えて「喜んでもらえて嬉しい」と笑顔を見せてくれた八代亜紀さん。

写真 落合直哉

(八代亜紀さん)「私にできることは歌うことくらいですが、それが誰かに喜んでもらえることなら凄く嬉しいです。11年経っても自宅に帰ることができない人がいるし、その辛さを忘れちゃいけないと思ってます。だからこそみんなで仲良く支えあうことが大切。人間にはそれができるのだから。自然災害はどこでいつ起きるかわからないですもんね」

東北とのつながりを更に強く。歌い継がれてゆく『希望と絆』

さまざまな形で東北支援を続けているセイコーグループは、2018年に宮城県多賀城市にある多賀城中学校の皆さんとご縁ができました。そこから服部CEOの作曲に、多賀城中学校400名の生徒さんが作詞をするという共同プロジェクトがスタートします。阿木燿子さんのサポートを得て完成した合唱曲『希望と絆』は、震災から10年目、2021年のコンサートで、サーカスの皆さんとセイコー社員によるAlways四丁目合唱団によって披露されました。

同曲の詩に選ばれたのは、2018年当時、多賀城中学校の生徒だった石川愛恵(いしかわ まなえ)さん。今回多くの方の前で披露された『希望と絆』を、会場で一緒に聞いた心境をうかがいました。

(石川愛恵さん)「去年と違い、大勢の方の前で歌ってもらえて嬉しいです。みんなで心の底から笑えるような、明るく平和な未来のために、もしも辛いことがあってもみんなで協力して乗り越えたい。この曲は、前を向く大切さを思い出させてくれると思います」

石川愛恵さん 写真

現在は高校生の石川さん。

写真 落合直哉

橋元伸二校長先生 写真

今年は多賀城中学校の橋元伸二校長先生もコンサートにお越しくださいました。「震災当時はまだ小さかった生徒たちは、詩を書くにあたって当時を学び直す機会となり、各自が深い学びを持つことができました。子どもたちに貴重な経験をさせてもらえて、このご縁に感謝しています」

写真 落合直哉

多賀城中学校との取り組みを映像で振り返りながら聞いた『希望と絆』は、明日を信じる気持ちとなって、会場にいた一人ひとりの胸に響きました。引き続き、同中学校との取り組みを通してこの曲を伝えていきたいと思います。

未来に向かう笑顔いっぱいのクロージングへ

次なるステージには、品があり、でも力強くもある中尾ミエさんです。ご自身でも積極的に被災地への募金活動や支援活動を続けてきた中尾さんは、本コンサート初登場。期待いっぱいの会場に向かって、爽やかで淡い思いを抱く『ただそれだけ』と、切なさいっぱいの『片想い』を聞かせてくれました。

中尾ミエさん 写真

「生きてることは生かされていること。命のある限りは人様の役に立つ生き方をしたいし、そのためには笑顔でいたい」と中尾ミエさん。

写真 落合直哉

(中尾ミエさん)「11年、長いようで、でも何かに取り組むとそのくらい掛かってしまうんですよね。もしかしたら東日本大震災のことを少し忘れかけてる人もいるかもしれないけど、まだまだこれからのこともあると思います。震災当初、歌手の自分には何もできることがないように感じて、力不足をもどかしく思ったこともありました。でもやっぱり音楽が何かの役に立つこともあって、これからも誰かのために歌っていける存在でありたいです」

続いては、中尾さんと一緒に被災地に向けた募金活動もされていた「三人娘」のお一人、そして同じく本コンサートに初出演の伊東ゆかりさんです。出演アーティストの締めにふさわしく、しっとりと『小指の想い出』と名曲『百万本のバラ』を披露してくださいました。

伊東ゆかりさん 写真

最後に全員で合唱した際、お揃いで着たオフィシャルスウェットシャツでチャーミングな伊東ゆかりさん。「テーマに合わせて今日は思い切り笑顔で過ごしました」

写真 落合直哉

(伊東ゆかりさん)「被災地に行ってみると、復興までまだ掛かりそうだなぁと感じる場面を見ることもあります。初めて飯館村で見たフレコンバッグの山は衝撃的でした。早くみんなが安心して自分のお家で暮らせるようになることを願って、そのために自分のできることを考えながら続けていきたいです」

最後には出演者全員がステージへ上がり、空まで届くような明るい歌声を響かせてクロージングとなりました。音楽がもつ、目には見えない力に魅せられたこの日。また新たな日々に向かう力になることを願っています。セイコーグループは、これからも未来を信じて、笑顔でいることの大切さや生きる喜びを大切にし、この活動に取り組んでまいります。

銀座・和光 時計塔 写真
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