はじめてのジャズ
Vol.1:ジャズって楽しい。気軽に聴いてみよう!
カフェやバー、レストラン、書店などでよく耳にする心地好いジャズ。近年では、Seiko Summer Jazz Campやさまざまな音楽大学のジャズ科開設などによって、ジャズを演奏する若者が増え、ますます身近なものになっています。とはいえ、“イイカンジだな”と思っても、いざ自分で聴こうとすると、“何をどうやって聴いたらいいの?”、そんなふうに思われる方も多いのでは。ここではそんな皆さんに気軽にジャズを楽しんでいただけるヒントをご紹介します。
ジャズの聴き方を知りたいな
ジャズって特殊な音楽と思われがちですが、実はポピュラー音楽のひとつ。ロックやポップス、歌謡曲と同じようにできています。
ポピュラー音楽は大まかに言うと、たいていは“歌→間奏→歌”の流れになっていますよね。ジャズも同じです。
ただジャズでは、その歌の部分を楽器がやっていることが多いので、歌と間奏の境目に気付きにくいだけなんです。
ちょっと違うのは、間奏のことをアドリブ(即興演奏)と呼んでいて、それをひとりだけでなく演奏者全員が自由にやっていいということ。もっと言えば、歌の部分も気分次第で好きなように節回しを変えてもいいんです。それがジャズのやり方です。
ジャズってどんな楽器で演奏するの?
ジャズは自由な音楽なので、編成も自由です。ひとりで行うソロ演奏から、大編成のビッグバンドやオーケストラまでいろいろあります。その中で最も一般的なのが3人~7人のコンボ編成というもの。それを少しずつ説明しましょう。
まずトリオ(3名)から始めると、ドラムが基本的なリズムをとって、ベースが「おおまかなメロディー(コード進行といいます)を示します。そのふたつが出すリズムにハーモニーやメロディーを添えるのがピアノやギターなどのコード楽器。一般にこのピアノ(またはギター)/ベース/ドラムという編成をピアノ・トリオ、ギター・トリオと呼んでいます。
この3人にトランペットやサックス、トロンボーンのような管楽器などが加わると、その人数によって、カルテット(4人)、クインテット(5人)、セクステット(6人)、セプテット(7人)と呼ばれるようになり、そうした楽器(奏者)を“フロント”(ステージの前に立つことが多いので)、または“ホーン・セクション”と呼びます。そして4人以上の編成になると今度は、先ほどのピアノ(またはギター)/ベース/ドラムのトリオ全体を“リズム・セクション”と呼ぶようになります。
いま言った楽器以外も参加していいの?
ジャズ演奏は楽器にこだわりません。そこも自由なんです。
いまお話しした楽器以外にも、オルガン、フルート、ヴァイオリンが入った編成も人気がありますし、その他にも、アコーディオン、ウクレレ、三味線を演奏するジャズ・プレイヤーもいます。
気軽に楽しむためのFAQ
ジャズの演奏を聴いてみようかな。でも生演奏をやっているジャズクラブは敷居が高そうで。
全然そんなことはありません。どんなものでも最初は緊張するもの。事前にどんな場所かが分かっていれば、心配することなく楽しめます。それをFAQ形式でチェックしていきましょう。
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Q1.ジャズクラブってどんな場所?
ジャズの生演奏を聴くことのできる場所はジャズクラブも含めて次の3種類に大別できます。
① ライブハウス
ドリンクを注文できます。スタンディングの会場もあります。
② ジャズバー
ドリンクと軽いおつまみがあります。椅子、テーブルがあります。
③ ジャズクラブ
ドリンクだけでなく、しっかりした食事も楽しむことができます。このように飲んだり食べたりしながら聴くことができます。ですから、“一生懸命に聴こう!”という意識は持たなくて大丈夫です。好きなドリンクやフードを味わいながら聴く、またその逆にBGMのように聴きながらお酒を飲むという気持ちでリラックスして聴きましょう。そうすると、“いまのトランペットのメロディー、カッコいいな”とか、“このリズムが好きだな”という気持ちが自然に湧いてきます。
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Q2.ライブの演奏時間はどれくらい?
お店ごとに設定が異なりますが、平日ですと、開演時間を18:00、18:30、19:00、19:30のどれかに設定するお店がほとんどです。
ジャズクラブには、ミュージック・チャージと呼ばれる入場料があり、これはコンサートのチケット料金と同じものだと考えてよいでしょう。その1回分のミュージック・チャージで、第1部、第2部それぞれ約60分の演奏を両方とも聴くことができるお店と、1回の演奏を1時間半程度にして、第1部と第2部を入れ替え制にしているお店の2種類があります。たいていは、お店のHPに書いてあるけど、お店にどちらなのかを聞いてみるのもアリです。 -
Q3.ワンドリンクだけでいいの?それともコースを頼まないといけないの?
そのミュージック・チャージの他に、ドリンクやフードをオーダーすることになりますが、これは一般的なレストランと一緒。たいていはワンドリンクの注文だけで大丈夫です。第1部と第2部のそれぞれでオーダーするようなお店もありますけど、HPに、“2オーダー制です”、“フード&ドリンクの注文をお願いします”のようなことが書いてなければ、ワンドリンクだけで楽しむことができます。
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Q4.予約は必要?
出演者の知名度によってさまざまですが、お店のHPや電話を使って予約しておくことをお勧めします。
お店に入る時間帯は、ドリンクだけでしたら開演15~30分前に入れば大丈夫。ディナーを楽しんでからライブを聴きたいのであれば、1時間くらい前に入店すると食事も演奏も落ち着いて楽しむことができます。 -
Q5.ドレスコードや鑑賞マナーは?
ドレスコードは特にないので、ポップス系のコンサートに行く感覚でOK。
ジャケットやネクタイのようなものも必要ありません。夏でしたらポロシャツ&ジーンズくらいのカジュアルな服装で大丈夫。実際、それくらいの軽装でいらっしゃるお客さんも多く見かけます。
マナーについては、主役はあくまでも音楽ということさえ忘れなければ大丈夫です。演奏中の大声でのおしゃべりや携帯電話の使用はNG。事前にマナーモードにしたうえで、携帯電話から解放された特別な空間を楽しみましょう。
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Q6.拍手はどんなタイミングでするの?
拍手や歓声については、クラシック・コンサートのような厳しいルールがないので、演奏中でもよく拍手が起こります。
一番多いのが、ソロが終わった時。“今のソロはよかったよ!”というメッセージの拍手です。ジャズ・ミュージシャンはお客さんからの拍手が大好き。拍手でどんどんライヴを盛り上げましょう。
ただし静かな曲の時はお静かに。最初は、周りに合わせるくらいの楽な気持ちで楽しんではいかがでしょうか。
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Q7.実際のジャズクラブはどんなところがあるの?
日本は世界有数のジャズ愛好国。都市部を中心にして数多くのジャズクラブがあるので、そのすべてを紹介することはできませんが、ジャズの盛んな東京、大阪、横浜の代表的なジャズクラブを紹介しましょう。
最初に紹介するのはブルーノート東京。1988年のオープン以来、ジャズ史を飾るレジェンドから、音楽シーンを切り拓く気鋭のミュージシャンまで数多くのアーティストが出演。ミュージシャンを間近で観ることのできるアリーナシートや、ステージ全体を見渡すことのできるボックスシートなどいろいろな楽しみ方ができます。ドリンクの種類も豊富ですし、軽食(アペタイザーといったりします)からフルコースまでフードも充実しています。
それから、東京、大阪、横浜の3都市にあるビルボードライブ(以下BBL)もオススメのジャズクラブ。この3店は、席の種類がBOX席、ソファー席、テーブル席、カウンター席、カジュアル・エリアなどに分かれていて、自分の好きなスタイルで楽しむことができます。セルフサービスによるドリンクだけのカジュアル・エリアは安価に楽しむことができるので、安心してジャズクラブ・デビューできると思います。
いま紹介したブルーノート東京、BBL大阪、BBL横浜の3店では、8月上旬にSeiko Summer Jazz Camp All Starsのライブが開催されます。リーダーのマイケル・ディーズをはじめ、出演者全員が世界的トップ・プレイヤー。ホンモノのジャズ・ライブに触れる絶好の機会です。
またもしもっと身近にジャズを感じたいと思ったら、Seiko Summer Jazz Campの卒業生ライブを行っている六本木のJazz House Alfieや御茶ノ水のNaru、高田馬場のIntroなどもあります。今後、こういったジャズクラブの情報もお伝えしていきますのでご期待ください。
まとめ
最後に、今日のお話の要点を見てみましょう。これらをチェックしてハッピーなジャズクラブ・デビューをなさってください。
- ジャズは気軽に楽しめる音楽です。
- ジャズクラブはカジュアルな服装で大丈夫です。
- ジャズクラブのミュージック・チャージを確認しましょう。
- どんなドリンクやフードがあるかチェックしましょう。
- 静かな曲以外はいつでも拍手OK。
文 早田和音
写真 amigraphy
