About SEIKO HOUSEについて

セイコーの前身・服部時計店は、1894年銀座四丁目の角地に進出し、その際、建物の屋上には創業者・服部金太郎の強い希望により時計塔が設置されました。
その後、関東大震災からの復興の象徴として1932年この地に完成した新社屋の二代目時計塔は、以来、銀座の街を行く人々に正確な時刻をお知らせする銀座のランドマークとして親しまれてきました。

そして2022年は、この二代目時計塔竣工から90年。セイコーは、ここから新たなプロジェクトをスタートさせます。
セイコーはもう一度、原点であるこの場所が持つ役割を見直し、日本の匠の技術やものづくりの想いを未来に伝え、社会とともに歩むセイコーを発信していく場所にしたいと考えています。

そのために、自社で保有する銀座四丁目の和光本館の建物を「SEIKO HOUSE」と名付け、セイコーブランドの発信拠点とし、再整備を行います。
時の豊かさを感じられる 歴史的な空間を生かしながら、 各フロアを最新の設備にアップデートすることでさらに活用してまいります。

History セイコーと時計塔の歩み

1881

服部金太郎

創業

服部金太郎が服部時計店(現セイコーグループ株式会社)を創業。

1894

掛時計の製造開始

初代時計塔竣工

服部金太郎は、9月、銀座4丁目交差点角地の朝野新聞社屋を買い取り、アメリカで建築を学んだ伊藤為吉氏に増改築を委託。同年12月に工事完了。

1895

1月、服部時計店は初代時計塔の建物で新店舗として営業を開始。

1920

1915年から始まった大正の好況期の中、丸の内周辺に石造高層建築が増え始めると共に、社屋建替計画が立てられ、京橋区銀座2丁目の仮営業所に移転。

1921

初代時計塔解体

初代時計塔解体

時計塔の機械部分は、この後服部時計店大阪店新築の折に移送され、時計塔として再び蘇り、1945(昭和20)年の戦火で消失するまで激動の時代を見守った。

1923

新しい建築のための土台作りが進みつつあった9月、関東大震災に遭遇。この被災で建設計画はまったくの白紙となる。

1930

新たな建築計画による2代目時計塔の建設作業が開始。
設計は渡辺 仁建築工務所、施工は清水組(現 清水建設株式会社)が担当した。

1932

二代目時計塔竣工

二代目時計塔竣工

服部時計店本社として竣工。 6月10日の時の記念日に「二代目時計塔」の落成式を終え、2日後の6月12日に服部時計店が新装開店。 イタリアから輸入された大理石により設えた店内の壁面、アラベスク模様の装飾金具、間口の広いショーウインドウなどは、当時としては画期的なものだった。

1945

1月27日、B29による銀座地区への空襲により周辺が焼け野原になるが、服部時計店の建物は、爆風による時計塔の文字盤3面の破損以外は、大きな被害は免れた。

同年10月 連合軍により接収、一部P.X.(POST EXCHANGE 兵士相手の日用品や飲食物などの売店)として使用された。

1947

4月、服部時計店の小売部門を継承し銀座・和光創業。仮店舗にて営業を開始した。

1952

銀座・和光のショーウインドウ

銀座・和光のショーウインドウ

4月、連合軍による接収解除。 同年12月、服部時計店本店と銀座・和光が銀座4丁目の社屋に移転、銀座・和光は銀座4丁目の地で正式にオープンした。 この時のショーウインドウは気鋭のデザイナー 原 弘 (ひろむ)氏、亀倉雄策氏、伊藤憲治氏の競作によるもので、話題を呼んだ。

1954

時計塔のチャイム

6月10日時の記念日より、それまでの時打ちのみに加え、ウェストミンスター式のチャイムを開始。

1966

時計塔の時計の動力が、それまでの錘巻上げ式からセイコー・クオーツ水晶発振式のムーブメントに、更に1974(昭和49)年には高精度のクオーツに取り換えられ、より正確な時を刻むようになる。

2004

時計塔に新たにGPSシステムを導入

2008

現在の時計塔

約300日に及ぶ、大規模なリニューアル、改修工事を行った。 歴史的な景観はそのままに、現代の建築としてふさわしい技術を取り入れ、耐震性の強化、バリアフリー化を図ることで、安全性と快適性を高めるものとなった。 これにより、東京消防庁より防火安全上優良で安全性の高い建物であると評価され、同年12月「優良防火対象物認定証(優マーク)」に認定された。

2009

経済産業省により
「近代化産業遺産」に認定

経済産業省により「近代化産業遺産群 続33」のうち、2つの項目で認定される。

近代社会の発展とともに花開いた都市の娯楽・消費文化のあゆみを物語る近代化産業遺産群

『近代国家に相応しい首都へ』今日の東京の礎を築いた都市形成のあゆみを物語る近代化産業遺産群

2011

SEIKO HOUSE

時計塔にSEIKOロゴが復活

2020

ショーウインドウ

一部建物をリニューアル

ショーウインドウをシースルー化

2022

SEIKO HOUSE

SEIKO HOUSE
オープン

和光本館の建物を「SEIKO HOUSE」(セイコーハウス)として再整備

建物の仕様

  • 地上から時計塔までの高さ

    39.39m(屋上までの高さ:30.30m、
    時計塔の高さ:9.09m)

  • 時計塔の避雷針の高さ

    8m

  • 時計塔の時計部分 文字盤の大きさ

    直径2.4m

  • 時計塔の時計部分 針の長さ

    長針 1.17m、短針 0.75m

  • 外装

    1~2階 岡山県産万成石本磨、3階以上 朝鮮半島産御影石小叩