法務部の海外法務を担当するチームに所属し、グループ会社が海外事業で用いる契約書の作成・審査や、海外法令などに関して各社から寄せられる法務相談への対応を行っています。グループ会社のうち、海外事業の規模が最も大きいのはウオッチ事業で、私の仕事も約8割がウオッチ事業に関連したものです。現在はアジア・中東エリアを担当しており、現地の弁護士と英語でやり取りしながら各国の現地法令に関する情報を収集。そのほかに、英語で作成した契約書の内容を分かりやすく事業会社の担当者に説明するのも、大切なミッションのひとつです。
大学では法律を学び、大学院にも進学しました。幼少期に海外在住の経験があり、英語に対する苦手意識もなかったことから、これまで培った法的な知識と英語力を活かせる仕事に就きたいと考えていました。そうしたなかで、セイコーグループの法務部が海外法務人材を募集しているのを発見。会社を調べていくうちに、創業140年を超える老舗企業であることや、ソリューションカンパニーへの変革のために新規事業の創出にも取り組んでいることなどを知り、この会社で働きたいと強く思い、既卒で中途入社しました。
国内法務・海外法務の双方で豊富な経験を持つ先輩からマンツーマンの指導を受け、目の前の一つひとつの案件に丁寧に取り組める環境で仕事を覚えていきました。徐々に大きな案件も任されるようになり、事業会社の海外現地法人で生じた雇用関係の案件を担当。事業会社の社長から直接指示をいただくだけでなく、レピュテーションリスクにも関わりかねない大きな案件だったため、慎重に現地の法律事務所とやり取りして情報を集め、事業会社の担当者と何度も打ち合わせを重ねました。大きなトラブルなく案件を終えた後、担当者から私が作成した資料に助けられたと感謝いただき、仕事で人の役に立てたと実感できました。
チームのメンバーが育休を取得することになり、2年目は任される仕事の質と量が大きく変化しました。仕事の進め方も、先輩の指導を受けながら案件を処理するのではなく、一人の担当者として責任を持って案件を推進することが求められるようになりました。事業部門との打合せで議論を主導することや、部門として進めるプロジェクトにも積極的に関与することなど、半期ごとの面談で課題を与えられ、隔週で行われるマネージャーとの1 on 1でその時々に感じている壁について相談しながら日々の業務に取り組みました。2年目の後半には事業部門の要望に応じて英文契約書を一から作成できるようになり、自分の成長を感じることができました。また、事業部門向けに実施している英文契約セミナーでは、若手の意見を柔軟に取り入れる上長の後押しを受け、従来のドキュメント資料中心の進行から図解を活用した資料による新たな方法への変更を提案しました。 実際に新たな手法でセミナーを実施した結果、具体的な事例や法的概念を視覚的に説明できるようになり、受講者の理解度や集中度が向上。セミナー全体の満足度も高まりました。
ウオッチ事業はラグジュアリー領域での販売を拡大するために、海外での流通改革を行っています。そのため、一部のブランドについては、主に中級品を取り扱う取引先との契約を終了し、高級品が得意な取引先の開拓を進めています。しかし、アジア・中東エリアは自国企業を保護するためのさまざまな法律があるため、スムーズに取引終了に至らないケースが多くあります。そのような状況で、どう実現可能な解決策を見出せるかを試行錯誤。経験を積むにつれて引き出しが増えていき、さまざまな角度から解決策を提案できるようになってきました。また、法務部として策定している「部門パーパス」のアップデートにあたっては、部内でワークショップを行うための叩き台の作成や、議論の結果のまとめ役を任されました。自分の担当案件だけに集中するのでなく、部の組織課題への貢献や、周りのメンバーに対する働きかけも今まで以上に求められています。
仕事の精度とスピードを両立できるようになった
法務部として何かを発信するときは、単に「法的な正しさ」を追求するのではなく、ビジネスを推進する事業部門にとっても有益で実現可能なものであるか、という視点をもつよう心がけています。リスクを最小化するために事業のブレーキをかける守りの法務だけではなく、事業会社に寄り添い、法的な課題を乗り越えるための解決策を提示する攻めの法務であることも重要だと考えるためです。そして、世界各国の弁護士との豊富なネットワークを活用しながら、契約書の内容から交渉の進め方まで事業会社と議論し、解決策を提示した結果、事業会社からの信頼を獲得できるのがこの仕事の面白さです。
ウオッチ事業が日本独自のラグジュアリーブランドを世界に向けて発信するために、グローバル市場でのプレゼンスをさらに高めることが求められています。この実現に向けて、法的な課題に直面する事業会社に寄り添い、よき伴走者として課題解決に取り組むのが目標です。また、法務部が各社から寄せられる情報のハブとなり、連携を強化することで新たな価値創造に貢献できればと考えています。そのためにも、専門性を磨きながら目の前の仕事に誠実に取り組み、絶えず研鑽を積んでいきたいと思います。
事業の成長に貢献している実感を得られること
週末になると脳が疲れているなと感じることが多く、何も考えずに頭を休めて身体を動かすようにしています。引っ越したばかりなので、近所を自転車で散策して地域の新たな魅力を発見するのも楽しいですね。また、実家に帰って甥っ子と一緒に公園に行って遊ぶことも。甥っ子は鉄道がお気に入りなので、路面電車に乗ったり、新幹線がよく見えるスポットに連れて行ったりしています。
入社の決め手は?
腹を割って話してくれる社員の誠実な人柄