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「わたしの価値観って、なんだろう」
2022年春。長引く世界的パンデミックやロシア侵攻など混沌が続く中で、自分が大切にしていることを見つめ直し、言葉にしたためた2万人の若者がいました。

セイコーグループが協賛する「国際ユース作文コンテスト」(主催:公益財団法人 五井平和財団)は、小学生から25歳までの若者を対象に開催され、毎年、持続可能な社会のあり方を考える問いがテーマとなっています。2022年は「わたしの価値観」をテーマに、世界152ヶ国から約2万人の応募がありました。

その中で小・中学生を対象とした「子どもの部」にて最優秀賞を受賞したのは、都内の中学校に通う佐藤和花(さとう わか)さん。授賞式にお邪魔し、和花さんが考える「価値観」についてうかがいました。

言葉にしたからこそ気づけた思い

山崎奈穗美さんと佐藤和花さん

「自分だけが異質だと思われないように、周囲の意見に話を合わせてその場をやり過ごす」
自分を守るようでありながら、自らを偽るこの行為、きっと誰もが人生の中で経験したことがあることでしょう。

最優秀賞となった和花さんの作文『ありのままの自分』には、小学生だった和花さんが、周りのお友達に合わせて、特別好きじゃないものを好きなことにしたり、逆に大好きな教科を友達に合わせて好きじゃないことにした経験が綴られています。

ある日、偽らずに素直になることを選んだ和花さんは、「自分に嘘をつかずに自分を受け入れ、他の人にも受け入れてもらう」ことが幸せに繋がる、という大切な気づきを得ました。

和花さん:過去の経験から、個人の価値観の違いについて考えることは普段からあったのですが、言葉にしたのはこの作文が初めてのことでした。最初に自分の中にある考えをたくさん書き出して、そこからこの価値観を選び、実際に言葉にしたら、自分の考えをまとめることができました。大切にしていることや考えていることをはっきりさせることができて、うれしいです。

佐藤和花さんの作品はこちらから

副賞のセイコールキア(SSVW188)

SEIKO HOUSE GINZAにて開催された国際ユース作文コンテストの最優秀賞授賞式では、賞状と目録と共に、副賞としてセイコールキア(SSVW188)が贈られた。

国際ユース作文コンテストを主催する五井平和財団では、「わたしの価値観」というテーマに、自分と世界のつながりを実感してほしいという願いを込めたとのこと。

山崎奈穗美さん(五井平和財団事務局長):平和とは、戦争がないことだけではなく、持続可能な社会であることが必要です。普段はあまり考える機会もないかもしれませんが、一人ひとりの思いが社会を作っているし、個人の価値観が社会に影響を及ぼすと気づいてもらう機会にしてもらいたいと思いました。その上で、自分が大切にすることは何なのか、と自問すること。それぞれの個性やありのままに生きる人たちの思いが、社会を平和な状態にもっていってくれることが理想です。同時に大人も、彼らの考えに学び、サポートする存在でいたいと思います。

佐藤和花さん

最優秀賞と聞いた時は「まさか賞をいただけるなんて思っていなかったのですごく驚いた」と和花さん。

「好き」を通して知る、伝えあう喜び

和花さんが通う都立大泉高等学校附属中学では、国際社会で活躍するリーダーを育成するというコンセプトがあり、今回はその一環として161名の一年生全員が作文コンテストに応募しました。和花さんの他にももう一名入賞し、それにより学校も学校特別賞を受賞。この経験は和花さんに、何か変化をもたらしたのでしょうか。

和花さん:価値観という同じテーマでみんなが作文を書いたことで、本当に一人ひとりいろんな価値観があるんだということを実感しました。私は作文に書いた通り、自分の気持ちに嘘をつかず、思っていることを行動にしたいと考えています。でもそれは時々難しいこともあって、特に、自分の意見を言うことで、違う意見の友達を否定してしまうことがないようにと気をつけています。

相手の意見を理解して、自分の意見も受け入れてもらうこと。平和を築くためには欠かせない相互理解を実践し、自己受容を育む和花さんは今、「好きなものを好きと言えることがとてもうれしい」と言います。

セイコールキア(SSVW188)

<セイコールキア>は、自分らしく、美しく生きる女性達を応援するブランドです。ピンクゴールドが好きという和花さんを支える、良きパートナーとなりますように。

和花さん:何かを好きという気持ちを自分の中だけに留めていてもあまり楽しくなくて、友達に聞いてもらったり、共感してもらったりすることが楽しいんです。逆に自分はそれほど知らないことも、友達が好きなことだと教えてくれたらうれしいし、話を聞いてるのもすごく楽しいです。新しいことを知る楽しさと、誰かの好きを知る楽しさの両方があって、世界が広がっていくように感じます。あと家族にも、以前より積極的に好きなものや推しの話をするようになりました。

佐藤和花さんとご両親

授賞式に同席された和花さんのご両親。「彼女が正直に書いた、等身大の思いが評価されたようでうれしい」

未来を育むことに寄り添いたい

作文だけに限らず絵を描くことも好きで、将来は「イラストレーターや漫画家になりたい。数学も好きなので大学にも行きたいし、勉強もいろいろ挑戦したい」と話す和花さんは、無限の可能性に満ちていました。
今回ルキアを贈ったセイコーグループ株式会社 常務執行役員の庭崎紀代子さんも、まっすぐな性格と、未来の希望を感じさせる和花さんの作文に「自分の気持ちに素直になれることは素晴らしいこと」と感想を語ります。

庭崎さん:セイコーグループではさまざまな形で次世代の支援を行なっていますが、それはやはり、子どもたちに夢を育んで欲しい、未来を切り開くきっかけにしてほしい、と願っているからです。今回の受賞が、和花さんの自信のひとつになってくれたらうれしいですね。

和花さんたちの世代が社会に出る時には、きっと今よりもいろんな価値観が認められる時代になっているはずです。性別にとらわれることもなく、一人ひとりが個性を伸ばしていける未来に期待しています。

庭崎紀代子さん

常務執行役員の庭崎さんは、セイコーグループの支援活動を通して子どもたちに会うことも多い。「みんな目がキラキラしてるんですよね。今日も和花さんに元気をもらいました」

和花さんの他に、ロシアやウクライナを含む世界各国の青少年たちが各部門の最優秀あるいは優秀賞を受賞。オンラインで開催された受賞者同士の交流の場は、それぞれの作文を通して、いろいろな価値観を分かち合う時間となりました。外国人と交流したのは初めてだったと言う和花さんは、「私も相手もお互いを分かり合えたと実感でき、大切なことに国の違いは関係ないんだと思った」と教えてくれました。

佐藤和花さんとご両親
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