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2022年秋、たくさんの子どもたちと貴重な体験を紡いできた「セイコーわくわくスポーツ教室」の水泳編が初開催となりました。今回の講師はTeam Seikoの坂井聖人選手。森村学園初等部の元気いっぱいの4年生を対象に、「泳ぐ楽しさ」を伝えました。

坂井選手は、2016年に開催された世界の大舞台の200mバタフライで銀メダルを獲得した一流のアスリート。3歳から競泳を始め、小学生時代から水泳の全国大会に出場してきた経験から、子どもたちに寄り添った「実体験に基づく指導」に期待が高まります。

子どもたちも、競泳界の第一線で活躍する現役選手から学べる機会に大興奮!さらに、水に濡れても正確なタイムが測れるセイコーの高性能の計時機材を目の当たりにし、スポーツと時の深い関係についても学ぶ機会になりました。本記事では、当日の子どもたちの眩しい笑顔をたっぷり紹介します。参加した児童の感想や坂井選手へのインタビューも掲載しています。

“本物”に触れて学ぶ、スポーツと時の関係を知る機会

水泳教室の様子

「セイコーわくわくスポーツ教室」は、世界で活躍するアスリートからさまざまな競技を通じて身体を動かす楽しさを学ぶ体験型のイベントで、全国の小学校で開催しています。参加したのは4年生3クラス。1クラス40人ずつ、合計3回の授業が行われました。児童はこの日のために用意された「SEIKO」のロゴ入りスイミングキャップを被って、坂井選手の登場を待ちわびます。

水泳教室の様子

坂井選手が現れると、拍手やジャンプで喜びを表現する子もいました。坂井選手もそれに応えるように、「こんにちは!坂井聖人です。今日のこの授業をとっても楽しみにしていました!」と元気に挨拶。坂井選手をよく見ると、首にはなんと!世界の大舞台の銀メダルが!目の前で初めて見る貴重なメダルに「カッコいい〜!」「思ったより大きい!」と歓声があがりました。

水泳教室の様子

プールサイドが一気に盛り上がったところで、次はセイコーとスポーツの関わりについてお勉強。初めて見る本物の機材に、子どもたちは興味津々です。特にセイコーの社員が説明する大きな板のような機材を、一同が不思議そうに眺めます。それもそのはず。こちらは「タッチ板」という競泳の世界大会でも使用される“本物の計時システム”。普段はプール内に設置されるので、選手でさえこんなに間近で目にする機会はありません。

水泳教室の様子

実際に計時の様子を伝えるべく、坂井選手がデモンストレーション。代名詞であるバタフライのポーズでタッチ板目掛けてエア泳ぎを見せます。タッチ板に両手をつけてゴールするとタイマーが止まり、タイムが表示されました。

水泳教室の様子

社員が「実はこのタッチ板、水に濡れても反応せず、選手がタッチしたときだけ反応するんです!」と言うと、「すごい〜!」と盛り上がる子どもたち。試しに坂井選手がバケツの水をかけてみるとタイマーは反応せず、手で触ると止まりました。

水泳教室の様子

この高度な技術について、セイコー社員が解説。「実はこのタッチ板には約14,000個の穴が開いています。そこから水を逃すことで反応しないようになっているんですよ。」と説明すると、小さな穴をよく見ようと身を乗り出し、真剣な表情で普段は見られないタッチ板を目に焼きつけていました。

水泳教室の様子

イベントレポート「坂井選手に教わる、水泳の楽しさと競争心」

水泳教室の様子

さあ、次は待ちに待ったレッスンです。一流アスリートによる直接指導は、なんと坂井選手本人による100m個人メドレーというスペシャルな内容でスタート!「子どもたちに、水泳により興味を持ってもらいたい。」という坂井選手の想いを体現する、粋な計らいです。

水泳教室の様子

バタフライ・背泳ぎ・平泳ぎ・自由形では得意のバタフライ……とダイナミックに水を切り、猛スピードで目の前を泳いで行く坂井選手。けのびだけで、あっという間に15mくらい進む姿に子どもたちは目を丸くしながら驚いていました。また、平泳ぎでは、たったの3回水をかき分けただけで25mを泳ぎきり、初めて見るメダリストの泳ぎに「おぉ〜!」と圧倒された様子でした。

水泳教室の様子

興奮が冷めやらぬなか、レッスン開始。水泳のレベルに合わせて2つのグループに分かれた子どもたち。坂井選手が直接指導を行います。

水泳教室の様子

クロールでは基本動作を指導。25mを2回泳ぐなかで1回目は大きな泳ぎを、2回目はスピードを意識するように指示。「大きく速く泳ぐことで、普段あまり意識しない『全力で泳ぐ』ことを意識してみよう!」と声掛けしました。

水泳教室の様子


後半では水泳の「楽しさ」にフォーカス。2人1組になり、ビート板を両端から押し合うゲームを行いました。楽しみながら対決することで、競泳に必要な「競争心」についても学びました。

水泳教室の様子

授業の最後は、坂井選手とのリレー対決!児童代表4人が坂井選手と本気バトルです。ルールは、坂井選手が100mを1人で泳ぎ、対する児童は4人で100m。つまり1人25mずつ泳ぎ、さらに坂井選手には20秒のハンデもあるというスペシャルな対決に。

水泳教室の様子

意気込みについて聞かれた女子児童は「勝てる気がしない……」と緊張気味でしたが、仲間からの「やればできる!」「頑張れ〜!」という応援に笑顔をのぞかせました。一方の坂井選手は、「現役選手のプライドにかけて負けません!」とガッツポーズ。自由形では、ここでも銀メダルを獲得したバタフライを選択し対決に挑みます。

水泳教室の様子

もちろん、タイムはセイコーのタイマーを使って計時。「位置について、よーいどん!」とピストルが鳴ると、1人目の児童がスタート。懸命な泳ぎでハンデ20秒の坂井選手と差をつけます。

水泳教室の様子

2人目のスタート時には坂井選手もスタートを切り、本気の泳ぎでぐんぐん追い上げていきます。リードする児童も必死の泳ぎを見せ、白熱した戦いに。プールサイドで応援している仲間たちもバタ足で水しぶきをあげながら全身を使って応援します。

水泳教室の様子

結果は、ほんのわずかな差で児童たちの勝利!4人の力強い泳ぎによるリレーで、見事に一流アスリートから大金星をあげました。

水泳教室の様子

腕を高く突き上げて喜びを爆発させる児童の横で、天井を仰いで悔しがる坂井選手。坂井選手のレッスンの成果(!?)が早速出たようで、嬉しくもあり複雑な気持ちの坂井選手でした。

水泳教室の様子

セイコーのタイマーが刻んだ4人の記録は、なんと1分30秒88!将来が楽しみになる力強い泳ぎで、子どもたちの無限の可能性を示してくれました。

水泳教室の様子

最後は全員そろって「ハイ、チーズ!」。みんな坂井選手の隣に並びたくてポジションは争奪戦に!坂井選手から「学校のみんなで使ってね。」と贈呈されたセイコーの時計を手に笑顔で記念撮影を行いました。短い時間ながら、水泳と授業を通してグッと距離が縮まった様子の坂井選手と児童たちでした。

楽しい時間はあっという間!スポーツを通して育む明るい未来

水泳教室の様子

自らの体験を通して泳ぐこと、身体を動かすことの楽しさを学べた「セイコーわくわくスポーツ教室 水泳編」。実際に体験した児童のみなさんと担任の先生に、授業の感想を聞いてみました。

児童のみなさん、初めての水泳教室はいかがでしたか?楽しかったことや勉強になったことなど、感想を教えてください。

男子児童「トップの選手の泳ぎを近くで初めて観て、迫力がすごかったです!泳いでいる時になかなか水中から出てこなかったから、呼吸があんなに続いてすごいなってびっくりしました。」

女子児童「みんなでビート板を使って押し合いっこをしたり、好きな泳ぎで泳いだりしてすごく楽しかったです。坂井選手は体も泳ぎも大きくて、最後まで真剣に泳いでいたところがカッコよかったです。水泳は好きだけどあまり得意ではないので、『やればできる!』という坂井選手の教えを胸に頑張りたいと思いました。」

先生インタビュー

中村先生、本日はありがとうございました。子どもたちの様子は、普段と比べていかがでしたか?

中村先生「まず表情が違うと思いました。普段も元気いっぱいのクラスなのですが、そのエネルギーがさらに増していた感じです。生き生きしていてすごく楽しそうで、いつも以上に熱心に取り組んでいる様子が印象的でした。教室が終わった後は、『坂井選手もう帰っちゃうの?』『もっと泳ぎたかった。』という声が聞こえてきて、本当に楽しかったんだなと感じました。」

今回の教室を受講された児童のみなさんに、今後どんなことを期待しますか?

中村先生「坂井選手には、泳ぎが苦手な子たちは水泳に興味を持つきっかけになり、泳げる子たちにはさらに上を目指すきっかけになる姿を見せていただけました。明るい雰囲気で、一生懸命みんなで頑張っている空気がすごくよかったので、子どもたちにとって良い経験になったのではないでしょうか。今回の教室での『楽しみながら学ぶ』という姿勢が、今後さまざまなシーンで生かされたら嬉しく思います。」

楽しむことが最大の力!経験を伝えることで子どもの可能性をサポート

坂井選手インタビュー

スポーツを通して、子どもたちに「わくわく体験」を伝えてくれた坂井選手。「わくわくスポーツ教室水泳編」の開催は今回が初ということもあり、講師としての手ごたえや感想について聞きました。

坂井選手、本日はお疲れ様でした。今回の教室を振り返ってみて、いかがでしたか?

坂井選手「子どもたちが元気いっぱいでエネルギーがあり、僕自身もすごく楽しかったです!子どもの指導をするのはすごく好きですし、接していると元気が湧いてくるのでやっていて楽しめました。良い刺激をもらい、むしろ僕のほうが学ばせてもらいました。最初は少し緊張してしまってうまく話せなかったのですが、触れ合ううちに一緒に楽しんでコミュニケーションが取れるようになったと思います。」

小学生を対象とした水泳教室ということで、指導にあたって意識したことや気をつけたことはありますか?

坂井選手「もっとも気をつけたことは専門的な言葉を使わず、分かりやすい言葉を使うことです。後は、スポーツは楽しむことが上達の近道だと思っているので、『水泳は楽しいんだぞ!』ということを知ってもらえるレッスン内容を意識しました。ただ泳ぐのではなく、大きいストロークで泳いだり、速いスピードで泳いでもらったりしてその違いを子どもたちに体験してもらうことを重視しましたね。ビート板を2人組で合わせて『競争心』を競わせる遊びも混ぜつつ、いろいろな形で真剣に楽しんでもらえればと思って工夫を施しました。」

坂井選手インタビュー

坂井選手も子どもの頃からトップスイマーでしたが、未来を担う子どもたちへの指導、いわゆる次世代教育についてはどんな考えをお持ちですか?

坂井選手「これまであまり意識したことはなかったのですが、今回の経験を経て将来的に指導者になった時に、『少しでも僕の持っている知識や経験を共有して、子どもたちに良い影響を与えられたら』と考えるきっかけになりました。

実は僕、小さい頃は顔もつけられないくらい水が嫌いだったんですよ。でも先生に全身に優しく水をかけて、だんだん水に慣らすという指導をしてもらったおかげで水に慣れることができました。水泳を好きになったのも、そうした指導があったからなんです。自分が今でも当時のことを覚えているくらい、『子どもの頃の指導や教育は未来を左右するもの』だと思うので、次世代教育はとても意義のある取り組みだと考えています。」

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プロフィール写真

競泳選手
坂井聖人

兄の影響で3歳で競泳を始める。小学生時代から水泳の全国大会出場経験し、優勝経験を持つ。2016年リオ五輪では200mバタフライにて、アメリカのマイケル・フェルプス選手と、0.04秒の僅差で、銀メダルを獲得。2017年日本選手権 200mバタフライ優勝、日本学生選手権大会200mバタフライ4連覇と得意種目のバタフライで国内外での輝かしい実績を誇る。

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