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【荒川静香さんが解説】初心者でも楽しめる!フィギュアスケートのルールと採点方法(4/4ページ)

フィギュアスケートの気になる採点方法

フィギュアスケートの演技評価 画像 フィギュアスケートの演技評価 画像

フィギュアスケートの得点は、技術点(トータルエレメンツスコア)と演技構成点(プログラムコンポーネンツスコア)の合計点です。

技術点は、ジャンプ・スピン・ステップなどの技術要素を評価した得点。それぞれの要素には基礎点があり、その出来栄えにより+5から-5までのGOE(Grade Of Execution)がつきます。

ジャンプについては、回転数と種類(易しいとされている順にトゥループ、サルコウ、ループ、フリップ、ルッツ、アクセルの6種類)に応じて基礎点があります。さらに回転が十分かどうか、踏み切る際のエッジが正しいかどうかでも基礎点異なるのです。また、体力を消耗している状態で跳ぶことになる演技後半のジャンプ(SPでは最後の1つのみ、FSでは最後の3つのみ)にはボーナスがつき、基礎点が1.1倍になります。

演技構成点は、プログラム全体を評価する得点。スケーティング技術・技と技のつなぎ・演技力・構成力・音楽の解釈の5項目があり、ファイブコンポーネンツとも呼ばれます。各項目は、0.25点刻みの10点満点です。世界トップのスケーターでも、演技構成点で9点台を出せる選手は少なく、満点の10点は優れた一握りのスケーターにしか出せません。ちなみに演技構成点は単に合計するのではなく、技術点と近い得点になるように係数がかけられます。

また、転倒や演技時間の超過、衣装の落下などは減点対象です。転倒による減点は、1・2度目は各-1点、3・4度目は各-2点、5度目以降は各-3点となります。ジャンプが得意な選手もいれば、観客を魅了する美しいスケーティングが強みの選手もいます。国際スケート連盟や日本スケート連盟のホームページに掲載される採点表を見るだけでも、その選手の特徴が分かります。

ちょっとの知識でフィギュアスケート観戦は面白くなる

荒川さんの話も大変興味深かったですね。スポーツと芸術の融合であるフィギュアスケートは、スケーターはもちろん、コーチや振付師、衣装デザイナーら関わるすべての人の美しさへのこだわりで成り立っています。また、ルールの根底にあるのは、“本当に美しいフィギュアスケートとは何か”を追求する信念です。そのことをファンがより深く知ることで、フィギュアスケートをもっと魅力的に感じることができるかもしれません。観客が演技の価値を感じ取り、それに対して惜しみない拍手を送る競技会の会場は、最高の空間になるでしょう。

次回はフィギュアスケートの技やジャンプを中心に、荒川さんのお話を交えて解説します。

セイコーが行うフィギュアスケート支援

セイコーでは、選手たちが氷上に舞う華麗な競技・フィギュアスケートの支援も行っています。精密な採点が求められるフィギュアスケートの大会運営を「フィギュアスケート競技システム」でサポート。

演技の美しさを競うフィギュアスケートのスコアを正確に計測することで、競技貢献を果たしています。

荒川静香

プロスケーター
荒川静香

1981年12月29日東京都生まれ。小学校に入学してから本格的にフィギュアスケートに取り組むと、3年生で3回転ジャンプをマスター。天才少女と呼ばれた。94~96年には全日本ジュニアフィギュア選手権で3連覇を果たした。97年にジュニアからシニアへと移行すると、全日本選手権で初優勝。翌98年には長野五輪へ出場を果たした。2006年トリノ五輪では、アジア人としてフィギュアスケート女子シングル初の金メダルを獲得。2006年5月にプロ宣言し、本人プロデュースのアイスショー「フレンズオンアイス」、国内及び海外のアイスショーを中心に活動。日本スケート連盟副会長を務めるほか、テレビ、イベント出演、スケート解説、オリンピックキャスターとして活躍している。

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