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たむじょーが描く東京2025世界陸上の青写真。「国立を陸上ファンで満員にしたい」 たむじょーが描く東京2025世界陸上の青写真。「国立を陸上ファンで満員にしたい」

たむじょーが描く東京2025世界陸上の青写真。「国立を陸上ファンで満員にしたい」

文 田中凌平
写真 落合直哉

「3年前の東京は無観客だったので、その分も含めて東京2025世界陸上では2倍楽しみたいです!」

そう語ったのはランニング×コメディYouTuberとして活躍し、セイコースポーツファンリーダーを務めるたむじょーさんだ。2024年のパリ大会は陸上競技においても大いに盛り上がった。現地でその熱狂ぶりを観戦したたむじょーさんは、「東京2025世界陸上の舞台である国立が満員になるように盛り上げたい」と意気込む。

セイコーが世界陸上のオフィシャルタイマーを務め、計時計測を行うのは東京大会で実に19大会連続となる。そんな世界陸上と縁深いセイコーの一員として、たむじょーさんは東京2025世界陸上においてどんな青写真を描いているのか。大会を約1年後に控えた今の想いを聞いた。

セイコースポーツファンリーダーとして陸上の楽しさを伝える

たむじょー 画像

陸上ファンとの交流を振り返り、セイコースポーツファンリーダーとしての手ごたえを語る

photo by AFLO SPORT

2024年2月、セイコースポーツファンリーダーに就任されましたが、これまでの活動を振り返っていかがでしょうか。

まず印象に残っているのは、広島で開催した「たむじょー×セイコー ランナーズクリニック in 第58回織田記念」です。セイコースマイルアンバサダーの福島千里さんと2人で講師を務め、広島県内トップクラスの中学生を対象に指導しました。最初は「福島さんと一緒に教えるのが僕でいいのかな…。」と緊張感がありましたが、「参加者に楽しんでもらいたい!」という気持ちで盛り上げました。

当日は雨にもかかわらず、みなさんが真剣に話を聞いてくれて、最後の100mのトライアルでは自己ベストを出した方もいて嬉しかったです。もちろん福島千里さんの指導の素晴らしさもありますが、自分が関わったイベントで最高の走りを披露してくれたことに感激しました。

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国立競技場で開催した「セイコーゴールデングランプリ陸上2024(以下、セイコーGGP2024)」のイベントも盛り上がったそうですね!

この日は「たむじょー×セイコースペシャルシート」を用意して、ファンのみなさんと一緒に選手を応援して盛り上がりました。自分で言うのもなんですが、大好評だったんですよ!(笑)

ファンの方には一体感を感じてほしかったので、スペシャルシート専用の黄色いうちわを用意して裏に推しの選手を書いてもらい、ファンの方とのコミュニケーションを意識しました。しっかり競技の解説もしながら楽しんでもらったところ、「今までの陸上の大会で一番楽しかった」との声をいただきました。この日をきっかけに、また陸上を観に来てくれると嬉しいですね。

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世界陸上はトップアスリートによる最高峰の戦い

たむじょー 画像

トップアスリートが集う東京2025世界陸上で、新たな世界記録が生まれる瞬間に立ち会えるかもしれない

写真 落合直哉

たむじょーさんの力で陸上を楽しむ人がどんどん増えていますね。来年はいよいよ東京2025世界陸上が開催されますが、改めて世界陸上とはどんな大会なのでしょうか。

選手からすると陸上の世界一を決める大会であり、憧れの舞台です。この日のために選手は日々の厳しい練習を乗り越えて最高のコンディションで臨んでくるので、観戦する人もわくわくできる大会だと言えます。ハイレベルな戦いが繰り広げられるだけでなく、世界記録が生まれる瞬間に立ち会えるかもしれません。

特に注目してほしいのは、トップ選手たちの“駆け引き”です。自分ももともと中長距離の選手だったので、1500mや5000m、3000m障害などの組によって異なるレース展開がすごく面白いと感じています。ゆったり始まって最後の1周でスパートをかけて1位になる選手もいれば、最初から攻めていく選手など見ていて飽きさせません。海外選手はどんな戦い方をしてくるのか分からないので、予想を裏切る展開もまた面白いですね。

トップアスリートが集まる世界陸上ですが、その中でもたむじょーさんが注目している選手を教えてください。

たくさんいるので迷います…。最近僕が注目しているのは、高校生で男子800mの日本記録を出した滋賀学園の落合晃選手と、同じく高校生で女子800mの日本記録を出した東大阪大敬愛高校の久保凛選手です。今年の6月に開催された日本選手権では、2人ともプロや実業団選手を抑えて優勝しているので、世界でどこまで戦えるのかに期待ですね。東京2025世界陸上への出場権も勝ち取って欲しいです。

海外では、“鳥人(ちょうじん)”と呼ばれるスウェーデンのアルマンド・デュプランティス選手に注目しています。パリ大会では棒高跳びで6m25の世界記録を出したのですが、直後のダイヤモンドリーグですぐに自己記録を塗り替える6m26を叩き出しました。映像で見るとまだまだ高い記録を狙えそうで、もし世界陸上東京大会に出場したら、国立の舞台で目の前で記録更新が見られるかもしれません!

たむじょー 画像

Team Seikoメンバーに期待を寄せるたむじょー

写真 落合直哉

Team Seikoの山縣亮太選手、デーデー ブルーノ選手、豊田兼選手への期待もお聞かせください!

山縣選手には、日本記録保持者というプレッシャーを感じずに、また最速を更新する走りに期待しています。華がある選手ですし、日本の短距離界を牽引する存在でもあると思うので、納得できる練習を積んで思い切り走っている姿を見たいです。

デーデー選手は2024年に自己ベストを更新するなど復調していますね。指導する塚原コーチが「うまくはまれば絶対にトップで戦える選手」と言っていたので、爆発力に期待しています。織田記念のときに一緒に写真を撮らせてもらったんですが、体格のいい見た目とは違い、めちゃくちゃ優しい方でギャップに惚れてさらに応援したくなりました(笑)。

豊田選手はパリ大会ではケガの影響もあり、本調子ではなかったかもしれません。本人としても悔しい結果だったと思いますし、万全な状態だったら世界で戦える選手です。パリの悔しさを東京でぶつけて欲しいですね!

デーデー ブルーノの心の中の“葛藤”。自己ベストの先に見据える9秒台の世界

思いっきり応援を楽しんで選手を後押ししたい

たむじょー 画像

パリ大会での熱狂ぶりを肌で感じたたむじょーは、東京2025世界陸上にも盛り上がりの期待を寄せている

写真 たむじょー

約1年後に東京2025世界陸上の開催が迫る中、陸上競技への注目度についてどのように感じていますか?

8月に開催されたパリ大会の陸上競技を現地で観戦したのですが、8万人くらい入るスタジアムがほぼ満員状態でした。世界的に陸上競技の注目度が高いと感じましたし、ここまで盛り上がるスポーツなんだと驚きました。
競技中はウェーブがどこからか始まり、スタジアムの観客がいっせいに立ち上がって一周するなどお祭り騒ぎでした。さらに、選手が観客席の前のトラックを走ったり、跳躍種目で跳んだりしたときに大勢の人たちが興奮のあまり立ち上がって応援していました。かなりの熱狂ぶりでしたね。

ものすごい迫力のある応援だったんですね。

東京2025世界陸上も収容67,750人の国立競技場を満員にして、パリ大会と同じくらい観客が盛り上がって応援できる雰囲気を作り出したいです。周りの人に迷惑をかけるレベルの騒ぎは良くありませんが、僕は海外のファンのように熱くなって応援するのはいいことだと思います!

また、選手にとって陸上の大会は、応援するファンやチームメイト、お世話になった方たちへの“恩返しの場”でもあります。僕が駅伝を走っているときにたくさんの声援が力になったように、ファンの声援は大きな後押しになります。
パリ大会で数々の記録が生まれたのは8万人の大歓声があってのことだと考えているので、国立競技場が埋まった時の声援にも期待したいですね。世界一を決める大会なので、みんなで盛り上げましょう!

たむじょー 画像

会場の一体感を作り、観客が「自分も競技に参加しているような感覚」になって欲しいと語るたむじょーさん

写真 落合直哉

声援に包まれる満員の国立競技場を想像するだけでわくわくします!セイコースポーツファンリーダーとして、たむじょーさんは東京2025世界陸上に向けてどんなことに挑戦したいと考えていますか。

セイコーGGP2024のようにたむじょーシートを作り、一体感を持ってみんなで応援したいです!

陸上は観客の方全員が各競技の特徴やルールを理解しているわけではありません。「掲示板にある数字は何を意味するのだろう」「この選手は世界記録が期待されているのか」など、いろいろな知識を伝えながら陸上を観戦すると、さらに陸上を楽しめるようになります。

また、子どもたちを呼んでもいいですよね。目の前で世界のトップ選手たちの走りを見て、「将来は自分もこの舞台に立つんだ!」と思ってもらえる機会を作りたいです。

最後に、東京2025世界陸上を楽しみにしているファンの方へメッセージをお願いします!

3年前の東京での世界大会は無観客での開催となり、寂しさがありました。その時の思いも込めて、東京2025世界陸上は“2倍”楽しみましょう!

次に東京でこれほど大きな大会が行われるのは、いつになるかわかりません。大会までの1年間、僕も盛り上がる方法を一生懸命考えてYouTubeでも発信して活動していきますので、みんなで熱を高めて思いっきり盛り上がりましょう!
国立競技場で会えるのを楽しみにしています!

たむじょー

セイコースポーツファンリーダー
たむじょー

帝京大学2年時に箱根駅伝の8区を走ったトップランナー。実業団からの誘いを断り、大学卒業と同時にランニングとコメディをミックスしたチャンネル『たむじょー【Tamujo】』を開設した。ランニング×コメディYouTuberを信条に、走りと笑いの融合を目指している。

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