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【増田明美さんが解説】マラソン給水の知られざるルールや工夫とは?(2/4ページ)

マラソン イラスト

◆ 給水についてのギモン

42.195kmというマラソンの長旅の途中で、水分補給するための給水はとてもに重要な役割を担います。しかし、市民マラソンに参加経験がある人でも、給水に関しても意外と知らない事実や素朴な疑問があるものですよね。まずは給水に関しての基本情報やルールを簡単に紹介します。

・給水所はいくつある?
給水所はコース上に5km間隔で設置されており、プロランナーが15~20分に1回は水分補給ができることを想定した配置になります。また、スタートとフィニッシュ地点にも飲食物を用意しなければならないという規則があります。国際大会では選手自身が用意したスペシャルドリンクを給水所に置くことが可能です。また、10kmを超えるレースでは水以外の飲食物も提供されることがあります。

・給水所以外で飲食物を受け取ったらどうなる?
医学的な理由や競技役員の指示なく給水所以外で飲食物を受け取った場合は、1回目で警告、2回目で失格となります。

・給水所で受け取った飲食物を他の選手に分けても大丈夫?
スタート地点や給水所で取った飲食物は、他の選手に手渡すことができます。ただし、繰り返し飲食物の受け渡しに関与するなど、必要以上に他の選手への接触を試みる場合は「規則に違反した助力」とみなされ、警告や失格の対象となることもあるようです。

・給水のさまざまなやり方や工夫
長時間走り続けるマラソンでは体の熱を冷やすことも重要なポイントです。給水所においては選手のさまざまな工夫を盛り込むことができます。たとえば、マラソン用給水スポンジの利用です。日本陸上競技連盟が発表する競技規則でも「水 ・スポンジおよび飲食物供給所」とされています。また、給水所で置けるボトルは1本だけという規定はなく、2本組になっている”二刀流”のボトルを使うランナーもいます。その場合は、1つにスポーツ飲料を入れ、もう片方に水を入れておき体にかけることにも使うなど、工夫を施しているケースが多いようです。

・さまざまなスポーツでの給水
「水上を泳ぐマラソン」として注目を浴びているマラソンスイミングではレース中に泳ぎながら給水をすることが話題になっています。各選手のスタッフが船に乗り、選手の泳ぎを邪魔しない遠めの位置から棒に給水のボトルをくくりつけて選手に手渡します。またスイム・バイク・ランで構成される鉄人レース・トライアスロンでは、スイムは給水はなし。バイクでは自身が用意したボトルで給水できるものの自転車をこぎながらの給水はテクニックがいるようです。ランにおいてはエイドステーションという水分補給・栄養補給のための設備で給水できます。

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