午前10

ジャンプシュートを
練習している少年がいる。
彼にとって、
その時間は、好奇心の時間。
好奇心もまた、
やさしさのひとつ。

午後2

初めての自転車に
挑んでいる子供がいる。
彼にとって、
その時間は、勇気の時間。
勇気もまた、
やさしさのひとつ。

午後4

覚えたてのステップを
踏んでいる夫婦がいる。
彼女たちにとって、
その時間は、愛の時間。
愛もまた、
やさしさのひとつ。

たくさんのことが、
私たちを隔てようとしている世の中で、
もしかしたら時間だけが、
誰にでも平等なものかもしれないと思う。
遠く離れたあなたとあなたを
つなげられるものかもしれないと思う。
だとしたら、そのすべての瞬間が、
やさしい時間であったなら。
その一分は誰かを傷つける一分ではなく、
誰かと笑い合う一分であってほしい。
その一秒は自分を責める一秒ではなく、
自分をいたわる一秒であってほしい。
理想論かもしれない。
平和すぎる話なのかもしれない。
でも。
そのやさしい一分一秒が
積み重なることで、
この世界はやさしさを
少しずつ獲得できるのではないだろうか。

なぜなら時間とは、
あなたそのものなのだから。

やさしい時間 セイコーは今年創業140周年

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