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ここ最近の日本人選手の活躍によって、注目されているスケートボード。彼らの試合観戦をきっかけに、「スケボーを始めてみたい!」と興味を持っている人もいるのでは?
そんなスケートボード初心者に向けて、スケートボードの種類と乗り方、代表的なトリック(技)について紹介していこう。

スケートボードの種類を理解しよう

スケートボードは様々な種類があるため、どれを選んだらよいか分からない人も多いだろう。大きく3つのタイプに分かれるが、自分の使用目的に合ったスケートボードを選ぶことが重要だ。

スケートボードの種類 画像

(ショート)スケートボード

私たちがよく目にする大会にも頻繁に使われている最もポピュラーなタイプ。飛んだり跳ねたりするトリック(技)を繰り出すのに適しており、ほかと比べて短く、軽さが重視される。

ロングスケートボード(サーフスケートボード)

スケートボードのなかでもデッキ(板の部分)が最も長いタイプ。その分、安定するので(ショート)スケートボードよりも乗りやすく、ゆっくり滑走することができる。ウィール(車輪)部分が大きく、板の中央がしなることで、サーフィンに近い乗り心地を体感できる。そのため、陸上でのサーフィンの練習にも活用されることが多い。

クルーザー

(ショート)スケートボードよりも小型で、トリックを繰り出すためよりも、移動に特化したタイプ。ウィールも、幅広くソフトなものを使用して、快適な乗り心地を追求している。かなり小さくコンパクトなため、持ち運びにも便利だ。

スケートボードのギアについて知ろう

「ギア」とは、スケートボードを構成している様々な部分(パーツ)のことである。主に、「デッキ(板)」「トラック(金属部分)」「ウィール(車輪)」に分かれている。

スケートボードのギア 画像

デッキについて

デッキとはスケートボードの板の部分。サイズや形状が目的によって異なる。進行方向に対し前を「ノーズ」、後ろを「テール」と呼ぶ。見分けがつきにくいが、ノーズ(前)の方がテール(後)よりも若干長く、反りが強いことが多い。

デッキを選ぶ際の重要なポイントの1つが、デッキの幅の広さ。幅の広さによって、デッキの扱い方が変わるため、自分の身長や用途に合わせて選ぶようにしよう。初心者の場合は、なるべくバランスがとりやすく安定感のある横幅が広いサイズがよいだろう。

トラックについて

トラックとは、デッキとウィールを繋ぐ金属でできた部分。トラックは、スケートボードの乗り心地に大きく影響するため、きちんとしたものを選ぶことが大切だ。トラックには、「ハイ」と「ロー」の2種類がある。ハイは大きなウィールがつけられ、デッキと地面の距離が遠くなることから、トリックがしやすくなる。しかし、その分重量が増えるので、強い力でスケートボードを操作しなければならない。ローは軽いため、弱い力でもコントロールがしやすい。その反面、小さいウィールをつけないと体の重みによってデッキと接触し、急ブレーキがかかってしまう“ウィールバイト”という現象が起きてしまうので注意が必要だ。

どちらが扱いやすいかは人によって大きく分かれるため、実際に試してみて扱いやすい方にするとよいだろう。

ウィールについて

ウィールとは車輪の部分。ものによって硬さやサイズ、横幅が異なり、スケートボードの滑りやすさやスピードに大きく影響するが、ウィールバイトを起こさないためにもトラックとの高さに合わせて選ぶべきだ。ウィールには、「ソフト」と「ハード」の2種類がある。ハードは固く、大きさも小さいためコントロールがしやすく、トリックを中心にしたい人にオススメ。逆にソフトは柔らかく大きいため、非常に滑りやすくトリックよりも移動などの用途に適している。初心者の場合は、用途によるが、着地に安定感のあるソフトの方が使いやすいだろう。

また、ウィールのなかには回転を補助するベアリングが搭載されている。ベアリング性能が高いほどスピードが上がり、その性能は「ABEC(エイベック)」の数値で示される。ABECとは、ベアリングの回転のしやすさを決める規格だ。数が大きければ大きいほど性能に優れているが、その分スピードも速くなるため、初心者は、低い数値のものを搭載するとよいだろう。

スケートボードの基本的な乗り方

ボードを選んだら、次はボードに「乗る」。ここでは基本的な乗り方について説明する。

足の位置(スタンス)を決める

まず、自分にとって左右どちらの足を前にすると乗りやすいか、乗る位置を確認しておく。この足の位置を“スタンス”という。左足を進行方向であるノーズに乗せて進むスタンスの場合は「レギュラー」、その逆は「グーフィー」と呼ばれている。違和感がない方でボードに乗ろう。

スタンス 画像

ボードの進め方

自分のスタンスが分かったら、いよいよスケートボードに乗って進もう。

①前足をノーズのビス(デッキとトラックを固定するボルト)あたりに置く。
②重心を前足に乗せて、後ろ脚で地面を蹴る。
③加速させるため、同じ動作を何度か繰り返す。
④十分加速したら後ろ脚をテールに置き、腰を落とし重心を低くキープする。このとき、重心を前後に傾けすぎず中心に保つことを意識して乗ることで、バランスを崩さないようにできる。

スケートボードの乗り方 画像

ボードの止め方・降り方

ボードから降りるときは、重心を中央に保ったまま絶対にテールの後ろ足から降りること。前足から降りてしまうとノーズが大きく浮いてしまい、後ろ方向に転倒してしまう恐れがある。

スケートボードの降り方 画像

初心者でもできる!基本的なトリックを紹介

スケートボードに乗って繰り出す技のことを指す「トリック」。ここでは初心者が挑戦しやすいトリックについて紹介する。

チックタックの乗り方

テールに重心を置きノーズを軽く浮かせて左右にスケートボードを振りながら前に進んでいくトリック。

①前足をノーズのビス(デッキとトラックを固定するボルト)あたりに置き、後ろ足をテールの先端に置く。
②完全に止まっている状態で、ノーズを振る方向に向かって上半身を45度ほどひねる。半分ほどひねったら後ろ足でテールを踏み、ノーズを浮かせる。
③そのままウィールを地面につけ、反動をつけながら上半身を先ほどと反対側にひねる。
④ノーズを持ち上げ、上半身と同じ方向に振る。すぐにまた上半身を反対側にひねり、合わせてノーズを同じ方向に上げて振る。これを繰り返し前進していく。

チックタック 画像

マニュアルの乗り方

ノーズを完全に地面から浮かせたまま、テールのウィールだけで進んでいくトリック。

①スケートボードに乗って前に進んでいる状態で、前足をノーズのビス(デッキとトラックを固定するボルト)あたりに置き、後ろ足をテールの先端に置く。
②後ろ足に力を入れ、ノーズを持ち上げる。このときテールが地面とこすれないよう前足でノーズを押さえ、バランスを取る。
③頭をぶらさず、肩でバランスをとりながら前に進んでいく。

マニュアル 画像

まとめ

初心者でも気軽に始められるスケートボード。優雅に滑走したいのか、かっこいいトリックを身につけたいのかなど、用途によって選ぶべきスケートボードも変わってくるため、まず初心者はスケートボードを使ってどんなことにチャレンジしたいのか、考えてから選ぶとよいだろう。またトリックの種類は数千あると言われているが、いきなりトリックにチャレンジするのではなく、まずは基礎をしっかりと固めることが大事だ。ぜひ本記事を読んで、安全にそして楽しくスケートボードを始めてほしい。

スケートボード世界王者「堀米雄斗選手」のインタビューもぜひ御覧ください。

「世界王者は“永遠のスケボー小僧”。堀米雄斗の価値観と信念」

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