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最近注目を集めているスポーツ、BMX。2021年に開催された世界的なスポーツの祭典の競技種目にも採用され、日本国内においても注目が集まりつつある。普段、私たちが使用しているものとは違い、競技のために特化されたシンプルな構造の自転車を駆使してレースやフリースタイルといった競技で、スピードや技を競い合う。そんなBMXの魅力を紐解いていこう。

BMX(Bicycle Motocross)とは?

BMXとは「Bicycle Motocross(バイシクルモトクロス)」の略で、特定の自転車を使用した自転車競技および競技で使用する自転車のことを指す。BMXの由来は、1970年代のアメリカでオートバイ・モトクロス競技に憧れた子どもたちが自転車でその競技を真似し始めたのが始まりといわれているそうだ。

BMX 写真

競技は大きく分けて「レース」と「フリースタイル」の2種類。スタイルやポイントは異なるが、自転車によるぶつかり合いや大きく飛び上がるジャンプなど、ダイナミックなアクションが堪能出来るという意味では共通しているともいえるだろう。

BMXで使われる自転車は、基本的に20インチの小さめのホイールとリアブレーキのみが搭載されている。短距離レースや激しい技を見せるのに特化した車体は、マウンテンバイクについているようなサスペンションや、ロードバイクのような変則機能を持たないシンプルで頑丈な構造になっているのだ。

また、実際はどの競技に使用するかによって車体が変わってくるので、競技に合わせた自転車選びが重要となる。

2種類のBMX競技

◆ BMXレース

「レース」は土やアスファルトなどで作られ、ジャンプ台などが用意された全長400mほどのコースで最大8人のレーサーがタイムを争う競技。レースは、自転車の格闘技といわれるほど転倒したり衝突する競技のため、ヘルメットやゴーグル、プロテクターの着用が大会で義務付けられている。1秒を争うハードでタフなタイムトライアルや迫力あふれる駆け引き、予測のつかないレース展開に興奮すること必至である。

BMXレース 写真

◆ BMXフリースタイル

「フリースタイル」は自転車を使った、アクロバティックで難易度の高いテクニックを競う競技。こちらも動きが激しい競技のため、ヘルメットやプロテクターの着用が義務付けられている。選手たちは制限時間内で自分の技巧と集中力を最大限に発揮し、ダイナミックな技からトリッキーな技などを繰り出していく。華麗な技の数々が見る人の目を惹きつける。

BMXフリースタイル 写真

3種類のBMXフリースタイル

フリースタイルはさらに「フラットランド」「ストリート」「パーク」の3つに分かれ、それぞれに異なる競技方式を持つ。

◆ フラットランド

フラットランドは、文字通り平面で行われ、自転車に乗ったまま地面に足をつかないようにしながら、スピンやウィリーなどの「トリック」と呼ばれるアクロバティックな技を披露して競い合う競技。ほかの競技に比べて大きなジャンプなどはしないが、非常に高度なバランス感覚とコントロールが必要とされる。

◆ ストリート

ストリートは、私たちの普段の生活になじみのある場所、つまり道路の路肩や階段の手すりなど街中の設備を利用した技を競い合う競技。環境にすばやく順応し、瞬時に的確な技を繰り出す発想力と瞬発力がカギとなる。

◆ パーク

パークは、スケートボードなどにも使われる専用施設で、ダイナミックなジャンプや回転などのテクニックを競い合う競技。巨大なスロープを使って高く大きくジャンプし、滞空時間をフルに利用した「エアートリック」と呼ばれる技に挑戦する。独特のリズムとグルーヴを持つ競技だ。

BMXの代表的な選手

このように、シンプルながら多彩な広がりを見せるBMX。フリースタイルではデビュー以来、長きにわたってシーンを牽引し、引退した後は全日本フリースタイルBMX連盟の理事長を務める出口智嗣選手。日本を代表するトップライダーとして知られ、自らのアパレルブランドなども展開する田中光太郎選手。そしてフラットランドのレジェンド的存在であり、2008年以降、通算11回も世界タイトルを獲得している内野洋平選手。当然ながら彼らのほかにもまだまだたくさんの選手が速さに挑み、技を磨いている。

まとめ

近年では都市型の運動競技「アーバンスポーツ」としてカテゴライズされ注目を集めるなど、さらなる進化を目指すBMX。世界ではすでに多くの世代に広く浸透し、メジャーな人気を獲得しているが、日本でも今後、目にする機会がきっと増えてくるはずだろう。今後もその動向に注目していきたい。

さらに他のアーバンスポーツについて知りたい方はこちら

2021年注目されているアーバンスポーツとは?

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