SEIKO  HEART BEAT Magazine 感動の「時」を届けるスポーツメディア

検索

2019年、東京マラソンにエントリーし参加費を支払い、あのコースを駆け抜けた出場者たち……。いわば主役とも言えるランナーたちの陰で、タイマーを管理するセイコー(SEIKO)の『タイミングチーム』が活躍していたことをご存知でしたか? 彼らに密着して、東京マラソンの裏側をレポートします!

こんにちは、ライターのみくのしんです。ジモコロでは森羅万象、さまざまな職業を実際に体験してレポートする、一日職業体験シリーズを書いております。

例えば―

冷蔵庫で黄色いカゴを運ぶみくのしん 写真

冷凍倉庫での作業や……

とんかつ屋での調理中のみくのしん 写真

とんかつ屋での調理バイトなどです。

さてさて、第9回となる今回は、一体何を体験するのカナ?

 

・

・

・

 

東京マラソン 走り出す人々 写真

ズドドドド……

 

東京マラソン 走り出す人々(寄り) 写真

ドドドドド……!!!

 

東京マラソンの裏側 セイコータイミングチーム 写真

※セイコーは東京マラソン2019のオフィシャルタイマーです

今回は、東京マラソンを影で支えるセイコータイミングチームのお仕事を体験します! 冷凍倉庫やとんかつ屋から、急にマラソンの大会……? そんな文脈ある?

っていうか、

タイミングチームってなんぞやー!?

塚田さん 写真

「タイミングチームというのはですね……」

みくのしん 写真

「誰!?」

塚田さん 写真

「はじめまして。セイコーグループ株式会社の塚田です。タイミングチームというのは、陸上競技や水泳など、さまざまなスポーツの試合でタイムを計るという、大事な役割を担うメンバーの事です!」

みくのしん 写真

「セイコーって時計を作ってるだけじゃなくて……その技術をスポーツの大会などに使用しているんですね」

塚田さん 写真

「その通りです。ほら、この写真をご覧ください」

セイコー製のタイマーが実際に東京マラソンで使われている様子 写真
セイコー製のタイマーが実際に東京マラソンで使われている様子(寄り) 写真
みくのしん 写真

「セイコー製のタイマー!!!」

塚田さん 写真

「セイコータイミングチームは、このように国内外問わず、巨大なスポーツの大会を、影で支えているチームです。今回、みくのしんさんには東京マラソンで、タイミングチームとしてのお仕事を体験していただきます」

みくのしん 写真

「体験取材で、いきなりそんな国際的な大会を手伝うの、めちゃめちゃ緊張するな……それで、当日は何時集合でしょうか?」

塚田さん 写真

「いえ、準備がありますので前日の朝から2日間のお手伝いになります」

みくのしん 写真

「2日間!?」

東京マラソン本番まで 残り、1日と15時間… 画像

東京マラソン前日|始業開始からお昼休みまで

都庁前 写真

と言うわけで、今日は3月2日。東京マラソン前日の朝9時半です。明日の東京マラソンは都庁前からスタートします

塚田さん 写真

「おはようございます。まずはこちらのウェアに着替えてください」

みくのしん 写真

「これは……!」

セイコーのスタッフウェアを持つみくのしん 写真

といって手渡されたのは、セイコーのスタッフウェア。背中の「SEIKO」文字がキマってるゥ~!

セイコーのスタッフウェアを着るみくのしん 写真

どうですかこれ~!? かっこいい~! 普通に販売してくれ~!

塚田さん 写真

「では、そろそろ車が来たので、早速作業のほうよろしくおねがいします!」

みくのしん 写真

「車?」

駐車場に現れる赤い車 写真

ブゥウ〜ン……

「計時車」書かれた車でいっぱいになる駐車場 写真

続々と車が入ってきて、巨大な駐車場はみるみる「計時車」と書かれた車でいっぱいに……

「計時車」書かれた車の前に立つみくのしん 写真
みくのしん 写真

「この大量の車は…?」

塚田さん 写真

「コレは明日の東京マラソンで活躍する『計時車』です。ランナーが走ってる最中にタイムを確認するための大きな時計(タイマー)がありまして。それを5km間隔で設置するんですが……」

みくのしん 写真

「え、マラソンって42.195kmあるから、最低でも8個か9個必要ってこと?」

塚田さん 写真

「はい。大きな時計をひとつひとつ現場に持っていって、その場で設置作業をすると、時間も手間もかかってしまいますよね? そこで、車の屋根に時計を乗せて現場に駐車することで……いわば車が時計の設置台になるわけですね」

みくのしん 写真

「なるほど……。でも今のところ、屋根の上には時計なんか乗ってませんけど」

塚田さん 写真

「今から取り付けるので、その作業をみくのしんさんに手伝ってもらいます。タイマーは特注品なので、取扱いには気をつけてくださいね!」

黄色の大きなタイマーを2人で運ぶスタッフ 写真

ちょうどスタッフの方が移動させてました。これがタイマー。テレビでよく見るやつですね。結構重そう……?

内藤さん 写真

「ちなみにタイマーの重さは約33kgあります」

みくのしん 写真

「びっくりした! 突然だれですか!」

内藤さん 写真

「はじめまして。東京マラソンにおけるタイミングチームのリーダー、内藤です」

スタッフに指示を出す内藤さん 写真

タイミングチームはプロジェクト毎にリーダーが立てられます。東京マラソンのリーダーはこちらの内藤さん。よろしくお願いします!

内藤さん 写真

「では、みくのしんさんに手伝ってもらう箇所を説明していきますね」

みくのしん 写真

「わ、わかりました!」

タイマーを車にセットする準備をするスタッフ 写真
内藤さん 写真

「まず、タイマーを車にセットするための足を取り付けます」

みくのしん 写真

「ほうほう…」

タイマーを車の上にセットするスタッフ 写真
内藤さん 写真

「足が付いたら車の上に乗せるんですが……傷つけないように毛布を敷いてから乗せてください。あとはしっかりとボルトで固定したら完了です」

みくのしん 写真

「余裕じゃん! じゃあさっそくタイマーを運びますね」

タイマーを運ぶ、みくのしんとスタッフ 写真
みくのしん 写真

「…って重っ! あのー! ちゃんと力入れてますか!? 重い重い重い!」

内藤さん 写真

「33kgを二人で持つので、単純計算したらひとり16kg程度なんですけどね。どこかにぶつけたら“終わり”だと思うと、実際以上に重く感じちゃいますよね」

タイマーに足を取り付ける、みくのしんとスタッフ 写真
みくのしん 写真

「ここに足を取り付けるんですよね? コレはマジで簡単」

塚田さん 写真

「めっちゃ手際良いですね」

みくのしん 写真

「楽勝~! で、車の屋根に毛布を敷いて、その上にタイマーを乗せ……乗せ……?」

タイマーを車の上にセットしようとする、みくのしんとスタッフ 動画
みくのしん 写真

「重い重い重い重い重い!!」

塚田さん 写真

「あ、ちなみにそのタイマーは特注品なので、車一台分くらいのお金がかかってます」

タイマーを車の上にセットしようとする、みくのしんとスタッフ 動画
みくのしん 写真

「今その話する!?怖い怖い怖い怖い怖い!」

塚田さん 写真

「車だってもちろん高価なので気をつけてくださいね」

みくのしん 写真

「今 言うなって!!!」

 

・

・

・

 

タイマーを車の上にセットするスタッフ 写真

 

呆然とするみくのしん 写真

結局、他のスタッフの人に手伝ってもらいました。あぁ、怖かった

みくのしん 写真

「このタイマーってやけにデカイんですけど、エネルギー源は車のバッテリー? 1.21ジゴワットくらいの電流じゃないと電力が足りないのでは?」

内藤さん 写真

「見てみます?」

タイマーの内部 写真

パカッ

みくのしん 写真

「え!?単一電池が8本!? こんなもんでいいの??」

塚田さん 写真

「良いリアクションですね。そうです。単一電池8本で動いています。これでつけっぱなしにして丸一日くらい動きます」

みくのしん 写真

「こんなに大きい液晶にデジタル表示するんだから、半日くらいで電池が切れるんじゃないかと心配しちゃった」

内藤さん 写真

「あ、このタイマーは液晶じゃないですよ? 数字もアナログです」

みくのしん 写真

「え?」

文字が現れるタイマー 動画
塚田さん 写真

「筒のようなものの前面が黄色、背面が黒で塗られていまして、それがくるっと回ることで数字を表示しているんです」

みくのしん 写真

「うわ!本当だ!普通にデジタルかと思っていました」

塚田さん 写真

「液晶だと正面に近い角度じゃないと見にくいし、日差しによって視認性が変わってくるので、あえてアナログなんですよ」

みくのしん 写真

「なるほど~」

すべての車にタイマーをセットした状態 写真

すべての車にタイマーをセットした状態。圧巻!

内藤さん 写真

「本番はすべての時計が同期され、誤差なく時間が表示されます」

みくのしん 写真

「コンマ1秒すらズレちゃダメなんでしょうね。めちゃシビアだな……」

内藤さん 写真

「さて、スタート地点(新宿都庁付近)での作業は終わったんで、今度はフィニッシュ(ゴール)地点(東京駅付近)に移動しますね。その前に、そろそろお昼なので、ごはんを食べましょうか」

みくのしん 写真

「もうそんな時間なんですね!やったー!」

お昼休み

お昼はタイミングチームのみなさんと一緒にごはんを食べました。

せっかくだから色々聞いてみましょう!

お昼ごはんを食べるスタッフ 写真
内藤さん 写真

「午前中は意外と真面目にタイマーを取り付けてくれてましたね。ライターさんなので、もっとおもしろいことをしてくれるのかと思ってましたが」

みくのしん 写真

「それは言わないで」

内藤さん 写真

「いや、ちゃんと役立ってくれて助かりました」

みくのしん 写真

「タイミングチームって何人くらい在籍してるんですか?」

内藤さん 写真

「今日いない人を含めて10人くらいのメンバーでやってますね。コミュニケーションが一番大事なので、少人数で動いてるんです」

みくのしん 写真

「ということは、タイミングチームに入るのって、かなり狭き門なんですかね?」

塚田さん 写真

「他の部署に比べてテレビに露出することもありますし、世界陸上などで海外に行って仕事することもあるので、やりがいの面でもかなり人気の部署です」

みくのしん 写真

「では、ここにいる方は、みんなエリートって事か……」

内藤さん 写真

「意外と泥臭い仕事なので、エリートって感じではないですけどね~」

照れる内藤さん 写真
みくのしん 写真

「とか言いながらアニメのキャラみたいに照れるじゃないですか。ちなみに試合や大会が無い時はどんな仕事をしてるんですか? みんなで釣りとかしてます?」

内藤さん 写真

「仕事中に釣りはしません。試合がない時は、会社で企画や開発などをしていますが……正直、いつもどこかで大会があるので。暇な時ってあんまりないですね」

みくのしん 写真

「忙しいからもう辞めたいってことはないんですか?」

内藤さん 写真

「いえいえ、スポーツ史に永遠に残る記録に関われるこの仕事は、とてもやりがいがあって大好きです」

みくのしん 写真

「なんてちゃんとした人間だ……。僕なんて、毎日ただ漫然とポケモンGOをやってるだけなのに」

午後の仕事~(前日の)業務終了まで

東京駅 写真

午後からは東京マラソンのフィニッシュ地点、東京駅で作業します

東京駅の時計 写真

余談ですが、東京駅のこの時計、セイコー製だそうです。他にもテレビの時刻表示なんかもセイコーの仕事らしいです。すごっ

みくのしん 写真

「フィニッシュ地点といえば、東京マラソンを走りきった人しかたどり着けないエリアですよね。僕みたいなモンが何をするんですか?」

内藤さん 写真

「とりあえずセイコーテントに案内します。中にある機材の説明をしましょう」

セイコーテント 写真

これがセイコーのテント。ここでスタッフがさまざまな作業をします

重要そうな機械 写真

何やら重要そうな機械が……

“何か”が印字された紙を出す機械 写真

昔のSF映画のスーパーコンピューターみたいに、“何か”が印字された紙がジジジ……と出てきました

みくのしん 写真

「これ何ですか? “能力者”のエネルギーを分析中?」

内藤さん 写真

「違います。フィニッシュ地点やその他のタイマーを制御するためのものです。いわば東京マラソンにおけるタイミングチームの心臓ですね。これをお見せしたかったんです」

塚田さん 写真

「たくさんのタイマーを制御しているので、この機械が壊れると、タイミングチームにとっては本当に致命的なんです。万が一を考え、予備としてもう一台用意してます。それくらいものすごく大事な機械で……」

DJのものまねをするみくのしん 動画
みくのしん 写真

「トゥクトゥク!イェイイェイ!」

塚田さん 写真

「遊ばないで!」

巨大なタイマー『かまぼこ』 写真

というところで、一日目の業務終了ー! お疲れ様でーす!

ちなみにこの巨大なタイマー(車に乗せてたやつより遥かにデカい)は、通称『かまぼこ』と呼ばれています。

ランナーたちはこれを見てラストスパートをかけたりするそうです。家が一軒建つくらいの値段なんだって……すげっ

塚田さん 写真

「前日の準備はここで終了です。お疲れ様でした! では明日、朝5時に集合でお願いしますね」

みくのしん 写真

「はい! ……え、5時!? 朝の!?」

東京マラソン本番まで、残り、15時間… 画像

東京マラソン本番当日はこちら

【後編】東京マラソンの裏側に潜入!セイコータイミングチームの仕事を体験した

みくのしん 写真

ライター
みくのしん

本名、高杉 未来之進(たかすぎ みくのしん)と申します。それ以外の特徴は1mmもありません。1990年生まれ東京育ち、将来は大きい声を出しても良い部屋に住むのが夢です。ご検討の程お願いします。

RECOMMENDあなたにオススメの記事

Seiko HEART BEAT Magazine

Seiko HEART BEAT Magazineは、
スポーツが生み出すわくわくドキドキする瞬間を、
アスリートへのインタビューやスポーツにまつわるトリビアを通じてお伝えする、
セイコーのデジタルスポーツメディアです。

HEART BEAT Magazineトップ