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2018年8月14日から17日の4日間の日程で開催されたSeiko Summer Jazz Camp(SSJC)のレポート後編。
最終日の17日午後は、アンサンブル・クラスの総まとめとなる、ホールを舞台にしてのガラコンサートに受講生たちが臨んだ。
バラバラに参加した彼らが、4日間で楽器の技術だけでなく、同じ音楽を演奏する者同士のコミュニケーションづくりを体験できるという、貴重な場が用意されていたのだ。
クラスごとの発表に続いて、受講生全員が登場してのビッグバンドによる演奏、表彰式、そして講師陣によるプロのステージと、盛りだくさんになったホール・プログラムの模様をお送りしよう。

前編はこちら

【前編】真夏の集中講座で燃え上がった若者たちの裡(うち)に秘めたジャズ魂

Writing by Eichi Tomizawa
Photographs by Chicken Shinoyama

たとえ初対面でも、相手を尊敬する気持ちを忘れなければ、良い音はきっと見つかる!

Seiko Summer Jazz Camp(SSJC) イメージ

マスタークラスが終わると、場所をバリオ・ホールに移して、アンサンブル・クラスの総仕上げのための準備が始まった。
最大346名収容のキャパシティがある可動式の本格的ホールで、まずは5つのチームごとのサウンドチェックから。
ジャズを演奏して「見せる」ためには、客席にベストな状態で音が伝わっていることを意識する必要がある。
教室に籠もって練習するだけでは得ることのできない体験が、最終日の晴れ舞台の前に用意されていたというわけだ。

そしていよいよ、午後からガラコンサートがスタート。この時間帯は一般の入場も可能となり、観客を前にしての実演となる。
5つのアンサンブル・クラスには、それぞれジャズの巨匠の名前が付けられ、担当した講師から寸評が述べられてから、演奏が始まった。

Seiko Summer Jazz Camp(SSJC) イメージ

ほとんどがこのSSJC初日に初めて顔を合わせた同士だったが、4日目の昼休憩では同じテーブルを囲んで軽食を取ったり、サウンドチェックの合間にホール外の廊下に集まってアレンジの確認や微調整をする光景が見られたりと、短いながら濃いカリキュラムがもたらした「ジャズはジャズという理屈だけで成り立っているわけではないこと」を体感している受講生の姿があった。

「同じ目的に向かうもの同士なので話がかみ合うから嬉しい」「練習していてもできずに煮詰まって苦しんでしたけれど、ここではみんなと一緒に楽しく演奏しながら解決できる」といったコメントが受講生から聞かれたのも、キャンプならではだろう。

Seiko Summer Jazz Camp(SSJC) イメージ

アンサンブル・クラスの成果を披露する5グループ各2曲の計10曲が終了すると、受講生の全員がステージに上がってのスペシャル・ビッグバンドによるステージへ。

Seiko Summer Jazz Camp(SSJC) イメージ

「初顔合わせなのに90分を3回しか音合わせをせずにビッグバンドをやろうなんて無謀なんだけど、このキャンプで気づいたことと仲間の音を聴くこと、そして相手を敬いながら自分のプレイをすることを忘れずに、思い切って臨んでください」というマイケル・ディーズのコメントに続いて、5曲を披露。

Seiko Summer Jazz Camp(SSJC) イメージ

確かに練習時間は短かったようだが、ビッグバンドの基本のキとも言えるカウント・ベイシー・ナンバーから、特別顧問の守屋純子がコンテンポラリーに味付けし直した「マイ・ロマンス」、現在のアメリカ・ジャズシーンを担う中堅の中心的な存在だったマルグリュー・ミラーのナンバーまでといった幅広い選曲をしっかりと表現。

熱い拍手に包まれるなか、ステージは表彰式の準備へと進められていった。

Seiko Summer Jazz Camp(SSJC) イメージ
左から
Most Improved Student Award(優秀賞) 中西和音さん(ドラム)
Best Arrangement & Composition Award(優秀作・編曲賞) 布施音人さん(ピアノ)
Most Outstanding Student Award(最優秀賞) 杉山慧さん(ギター)
セイコーホールディングス株式会社グループCEO 服部真二
Most Improved Student Award(優秀賞) 松田結貴子さん(トロンボーン)
Most Improved Student Award(優秀賞) 及川陽菜さん(アルト・サックス)
Special Recognition Award(特別賞) 中村海斗さん(ドラム)

僕ら講師陣は、いつでもファミリーとして君たちを迎えるつもりでいるから、「ただいま!」と言って帰ってきてほしい!

日本に居ながらにして、ニューヨーク最前線のプロ・ミュージシャンがつきっきりで指導という、贅沢な4日間のカリキュラム。そして学びを実践する場としてガラコンサートまで用意されたSeiko Summer Jazz Camp 2018。

Seiko Summer Jazz Camp(SSJC) イメージ

キャンプのチェアマンを務めた日本ジャズ界&ポピュラー音楽界のレジェンド、前田憲男は「“少数で濃密な体験”を主眼とするイベントだけに、今年も参加のチャンスを逃した若者が多くいたと聞きました。ぜひ継続してその要望に応えてもらいたいし、私もそのための協力を惜しみません」と所感を述べた。

すでに前年の受講生・甲田まひるがプロ・デビューを果たすなど、内外からの注目度も急加速で上昇中のイベントだけに、日本ジャズ界から寄せられる期待値も高いことをうかがわせるものだった。そして、その期待値の高さは同時に、責任の重さでもある。

Seiko Summer Jazz Camp(SSJC) イメージ

それを受けるかたちで、主催のセイコーホールディングス株式会社服部真二グループCEOは、まずこの濃密な4日間の先導役を務めた講師陣に対して、英語で感謝の意を示してから、「セイコーはこの活動をこれからも続けます!」と力強く宣言。会場からはひときわ大きな拍手が沸き起こっていた。

服部CEOはさらに、このキャンプが“教える”というかたちで音楽に関わる新しいスタイルのイベントであることに改めて触れ、「これこそ“時代とハートを動かすSEIKO”という当社のスローガンを具現するひとつの大きな成果になっています。このキャンプを足がかりにして、次々と日本のジャズ・シーンを盛り立てる人材が巣立って行ってくれることが、私たちのDreamでもあるのです」と締め括った。

レポートの最後に、改めてSeiko Summer Jazz Campの特徴をまとめておこう。

  1. 現場の最前線で活動する海外のトップ・プロが講師を務める
  2. 応募は自由だが参加できるクラスの人数は限定される
  3. 受講に関する費用は一切無料

こうした夢のような条件のなかで濃密な4日間を過ごした受講生のようすを、この記事でレポートしたわけだ。
もしかしたら、このキャンプの評判を耳にしたものの、「本当にタダ?」「一流の講師って怖いかも……」「4日間じゃなにも学べそうにないなぁ」なんて思っていた人がいるかもしれない。
断片的ではあるけれど、最終日をまとめたこの前後編のレポートを読んで、来年のSeiko Summer Jazz Campに参加する準備を始めてくれたら嬉しい。
チャンスという名の扉は、いつまでも開いているとはかぎらないのだから……。

Seiko Summer Jazz Camp(SSJC) イメージ
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