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C-NAPS編集部
photo by AFLO SPORT

世界陸上競技選手権大会(世界陸上)などの国際大会への出場権争いは常に熾烈を極めます。特に短距離の100mなどは陸上競技の花形であり、「誰が代表の座を射止めるのか」は注目されるトピックスです。

その代表選考関連において、「標準記録」という言葉を聞いたことはないでしょうか?2022年は、7月にアメリカ・オレゴン州ユージーンで世界陸上が開催されるだけに、標準記録に関する報道や話題も増えてきています。アスリートにとって達成すべき「最初の関門」とも言えるタイムだけに、世界陸上の代表選考が過熱する前に「誰が、どうやって決めるのか」などの基本を押さえておきましょう。

日本代表選考に関わる!陸上の「標準記録」とは?

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世界陸上などのスポーツの国際大会が行われる際、選考大会において必ずと言っていいほど話題にあがるのが「標準記録」です。正式名称は「参加標準記録」であり、英語では「Entry Standard」と表現されます。つまり、参加標準記録は大会に参加するにふさわしい選手かどうかのレベルをジャッジするタイムと言えます。

世界陸上などの国際大会は、競技における最高レベルのアスリートが集うからこそ、非常に価値が高い大会です。しかし、競技によっては国や地域によってレベル差も存在します。

たとえば、仮に男子100mで日本人トップの選手のタイムが10秒50だったとします。日本人最速の選手として国内においては代表選考に異論はないでしょう。一方で陸上強豪国であるアメリカでは9秒台で走る選手が10人以上いるとしたら、「他国では10秒50の選手が代表に選ばれているのに、アメリカでは9秒台のタイムを出しても代表になれるとは限らない。国際大会より国内のほうが明らかに高レベルだ。」という事態になりかねません。

国や地域によってレベル感が異なるとしても、参加標準記録があれば、大会に参加できる選手のレベルを一定水準に保ちやすくなります。ちなみに、オレゴン開催の世界陸上の男子100mの参加標準記録は、「10秒05」です。先ほど例に挙げた日本人トップ選手の10秒50というタイムでは、大会出場基準を満たすことができません。このように参加標準記録は、アスリートがハイレベルな代表選考においてまず突破しなければならない壁だと言えるでしょう。

「標準記録」を決めるのは誰?また、その設定方法は?

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参加選手のレベルを判断し、標準記録を定めるのは大会の主催者です。また、その標準記録は大会のレベル感やその年の主催者側の判断によって内容や基準が決まるので、選手は参加希望大会の最新情報を常にキャッチする必要があります。

たとえば、都道府県主催の陸上大会があったとしたら、その標準記録を決定するのは、各都道府県の陸上連盟になります。国内では、毎年6月に日本最高峰である日本陸上競技選手権大会(日本選手権)が開催されますが、その参加基準を決めているのはもちろん、主催の日本陸上競技連盟です。

2022年の日本選手権では、男子100mにおける参加標準記録としての明記はなく、「申込資格記録」が10秒45に設定しています。また、「ターゲットナンバー」という人数制限の制度が導入されており、申込資格記録を突破した上位の選手が日本選手権への出場権を獲得できる仕組みです。男子100mのターゲットナンバー(上位記録での人数制限)は56人。出場権獲得のためには、突破条件の10秒45をクリアし、かつ56人の枠に入れるようにより良いタイムを叩き出す必要があります。

そして、前述のように世界陸上オレゴン22の男子100mの参加標準記録は、「10秒05」に設定されています。地域大会であれば地域内のレベルで、国単位であれば国内のレベルで、そして、国際大会であれば世界水準で標準記録が設定されます。

各種目をチェック!2022年世界陸上の参加標準記録

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標準記録と一口に言っても、大会ごとにその内容や基準が異なります。そのため、注目大会の標準記録が「参加標準記録」なのか、それとも2022年の日本選手権のように「申込資格記録」なのかなど異なるケースがあるので、適宜チェックしましょう。世界陸上オレゴン22では、各種目でハイレベルな参加標準記録が設定されています。ワールドアスレティックスによる参加標準記録一覧は下記の通りです。

参加標準記録 リスト

世界陸上は陸上競技の世界一を決める大会なだけに、参加標準記録もかなりハイレベルです。たとえば、女子100m。日本記録は、2022年1月に現役引退を表明し、セイコースマイルアンバサダー(スポーツ担当)に就任した福島千里さんの11秒21です。その記録は12年間も福島さんが保持していますが、世界陸上の参加標準記録はなんと「11秒15」。世界が求める基準の高さを実感しますね。

しかも、世界陸上出場においては、参加標準記録を突破することが最初の関門。それをクリアしたうえで、個人種目では各国や地域の指定競技会の順位、前回大会の世界陸上優勝などの指定大会での実績を示すワイルドカード、有効期間終了時点のワールドランキング順位などが加味されます。そうした厳しい選考を突破して、晴れて最終的に世界陸上の代表の座を勝ち取れます。とても長い道のりだけに、日本代表として世界で戦う選手は本当にすごいことが分かります!

参加標準記録を知ったうえで、世界に挑むアスリートを応援しよう!

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参加標準記録を知ると、選手たちが挑もうとしている大会の難易度や世界基準のレベル感を垣間見ることができます。代表の選考大会でもある日本選手権などで「誰が勝ったのか」という順位はもちろんのこと、参加標準記録を突破しているかどうかにも注目です。ぜひ本記事の各種目の参加標準記録を見つつ、どの選手が世界陸上への出場のチャンスがあるかをチェックしてみてください!そして、世界に挑むべく日夜研鑽を積み続けるアスリートを応援しましょう。

セイコーは、2022年7月にアメリカ・オレゴン州ユージーンで開催される世界陸上のオフィシャルタイマーを務めます。100分の1秒単位での記録更新を目指す世界のトップアスリートたちを、正確な計時・計測によって支えます。

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