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次世代の可能性を応援するセイコーの「セイコーわくわく教室」では、子どもたちの新たな挑戦や発見など、心が弾む機会をサポートしています。好評につき開催を重ねているわくわく時計教室、わくわく環境教室、わくわくスポーツ教室に続き、音楽の素晴らしさに触れる「わくわく音楽教室」も始まりました。 2023年初春、第一回目のわくわく音楽教室が開催されたのは宮城県多賀城市。東日本大震災以来、セイコーが続ける被災地支援活動の中でご縁が深まった多賀城中学校にお邪魔しました。 コーラスグループ「サーカス」の皆さんを講師に迎えて、歌うことやハーモニーを奏でる楽しさを体感したのは、多賀城中学2年生、約140名の皆さんです。笑顔と思いやりに溢れた当日の様子とともに、わくわく音楽教室についてご紹介します。

実はご縁が深い、セイコーと音楽

セイコーわくわく音楽教室 写真

多賀城中学校美術部の皆さんが作ってくれたかわいいサインボードが、その場にいたみんなの意識をまとめる役割をしてくれました

セイコーはジャズミュージシャンを目指す日本の若手世代を本場ニューヨークで活動するプロフェッショナルたちと繋ぐ育成の場「Seiko Summer Jazz Camp」や、2018年に鬼籍に入られた作曲家・前田憲男先生のご意志を継ぐコンサート「Starry Night Concert」の開催を続ける他、東日本大震災の被災地である東北3県と東京では「“わ”で奏でる東日本応援コンサート」を継続開催しています。

「“わ”で奏でる東日本応援コンサート」
の詳細はこちらから

2021年には「“わ”で奏でる東日本応援コンサート」実行委員長であるセイコーグループの服部真二会長CEOが作曲したメロディに、宮城県多賀城中学校の生徒さんが言葉を乗せるという合作も実現しました。約400名の生徒さんの詩から石川愛恵さん(2021年同中卒)の作詞が選ばれ、「希望と絆」と名付けられた曲が誕生。被災地となったふるさとで、仲間と一緒に青春を謳歌しようと呼びかける歌詞に多くの人が励まされ、「“わ”で奏でる東日本応援コンサート」でも歌い続けています。

セイコーわくわく音楽教室 写真

制作当時を振り返る動画「オリジナルソング「希望と絆」完成までのあゆみ」も鑑賞。先輩の活躍をしっかり見つめる皆さんの熱い視線が印象的でした

音楽とのつながりが深いセイコーにとって、「セイコーわくわく教室」にも音楽は欠かせないテーマのひとつ。多賀城中とのご縁で生まれたオリジナルソング「希望と絆」を課題曲に企画された「わくわく音楽教室」でしたが、コロナ禍の事情を踏まえて延期を重ねていたため、今回いよいよ、満を持しての開催となりました。

初めはドキドキ。みんなでつくる、わくわく音楽教室が幕開け

広々とした体育館に、各自の椅子を持って礼儀正しく入ってきたのは2年生の皆さん。機材が並び、保護者の方々も待ち受ける、いつもとは様子の違う体育館に、やや緊張の面持ちが見られました。 セイコー社員と共に司会進行を担当してくれた生徒の阿部文音さんと杉森あまねさんに紹介されて、まずはAlways四丁目合唱団が壇上からご挨拶です。

セイコーわくわく音楽教室 写真

この日、セイコー社員の有志による混声合唱団「Always 四丁目合唱団」から代表4名が参加。団名は、銀座4丁目で毎週練習していることに由来しています

続いて中里校長先生からのご挨拶は、期末試験を終えたばかりの2年生を労う言葉から。また多賀城中学校では毎秋、学校全体の行事として合唱コンクールを開催しているため、「10か月後の合唱コンクールを意識して、今日の機会を活かしてほしい」と、優しい期待も伝えていらっしゃいました。

セイコーわくわく音楽教室 校長先生 写真

みんなと同じ中学2年生のときに「Mr.サマータイム」が大ヒットした、とこの日のゲスト講師、コーラスグループ・サーカスの思い出にも触れた中里校長先生

そして、多賀城中学校に在学中に「希望と絆」の作詞をした石川愛恵さんも駆けつけてくれました。「この曲が武道館で歌われるなど、貴重な経験をすることができた」という作詞にまつわる思い出に、後輩の皆さんも聞き入っていました。「今日また皆さんに歌ってもらえることを嬉しく思います」と、広く繋がり続ける1曲の可能性についても、喜びを教えてくれました。

セイコーわくわく音楽教室 写真

多賀城中学校OGの石川さんももうすぐ高校を卒業。みんなの身近な、頼もしい先輩です

間近で触れたプロによるハーモニー

歌いながら軽やかに登場してくれたのは、「わくわく音楽教室」初代講師となったコーラスグループ・サーカスの皆さんです。 見事なハーモニーで1975年のリリース曲「アメリカン・フィーリング」が奏でられると、体育館の壇上はまるでミュージックホールと化しました。サーカス流にアレンジされたアイドルグループNiziUの「Make you happy」、人気アニメの主題歌「紅蓮華(ぐれんげ)」と続き、最後は夢を追いかけることを応援する歌詞が印象的なオリジナルソング「One Voice」と、新旧織り交ぜた4曲を披露。体育館に突如吹き込んだ爽やかなコーラスの春風に、その場にいたみんなが魅了されました。

セイコーわくわく音楽教室 プロの歌唱 写真

プロの音楽家を前に緊張気味の2年生の皆さんでしたが、音楽教科を担当する森光先生にリードされて発声練習が始まると、少しずつほころんでいきます。合唱コンクールの前に練習したという腹式呼吸、「3秒吸って、3秒吐いて」を繰り返すこと数回。さらに森光先生の伴奏で校歌を歌った発声練習。みんな少しずつ、声が大きく出始めていきます。 サーカスのリーダーでボーカルコーチでもある叶 高さんは、「遠くの誰かに届けたいと思って声を出すと力強い声になるよ」と、発声時に意識することをアドバイス。実際に校長先生を壇上にお呼びし、ステージの端と端で声を掛け合う練習方法を紹介しました。

セイコーわくわく音楽教室 写真

コロナ禍に入学した2年生の皆さんにとって、実はみんなで一緒に校歌を歌う機会はこの時が初めてだったそう。後でそのことを教えてくださり「校歌をみんなの声で聞くことができてとても嬉しかった」と森光先生

セイコーわくわく音楽教室 写真

マイクを使わず「校長先生、朝ごはん何食べたの?」と話しかける高さんに、「おにぎりだよ」と応える校長先生。2年生の皆さんの緊張もすっかりほぐれた様子

十分な発声練習後は、いよいよ課題曲「希望と絆」を歌う練習に進みます。2組ずつ、メロディーを歌うグループとハーモニーを歌うグループに分かれて練習する皆さん。サーカスとAlways四丁目合唱団のメンバーも、それぞれのグループに混じりながらお手本としてリードします。

セイコーわくわく音楽教室 写真

みんなの歌声を聞きながら「自分が中学2年生の時を思い出していた」と後で教えてくれたサーカスの叶ありささん

セイコーわくわく音楽教室 写真

「みんなそれぞれの個性があって、でも同じ時に同じ場所で、同じ言葉で同じ曲を一斉に歌うことの素晴らしさを感じた」と仰っていたのは、同じくサーカスの吉村勇一さん

「相手パートの声をよく聞いてね」「フレーズごとに、歌詞の最初の一文字目をはっきり発音してみよう」「歌詞の情景を思い浮かべながら歌ってみて」と、みんなにわかりやすく、具体的な助言をたくさんしてくれたサーカスの高さん。「歌うごとにどんどん良くなってるね!」と「もう一回やってみよう!」と力強い指導に、みんなもグングンと本領発揮していきました。 途中で、それまでうしろで見守っていた保護者の方々を巻き込んだり、先生たちにも歌ってもらったりと、2年生のみんながリラックスできる時間もつくりながら、「希望と絆」の練習を繰り返し続けます。

セイコーわくわく音楽教室 写真

「とっても良くなってきたね!じゃあみんなで一緒にハーモニーを楽しんでみようか」という高さんの提案により、最後はサーカス、Always四丁目合唱団、卒業生の石川さんと共に、「希望と絆」の大合唱です。最初の緊張やよそよそしさはすっかり消え去り、元気いっぱい、清らかな声が体育館を満たしました。

セイコーわくわく音楽教室 写真

この日の感想を問われた保護者の方からは「震災を前向きに捉えようとした歌詞が感慨深かった」「コロナ禍で楽しいことがあまりできなかった子どもたちにとって良い日になった」「この歌詞のように、これからもっと青春を楽しんで欲しい」といった声がありました。 また生徒の皆さんからも「最初はみんな声が小さかったけど乗せてもらって楽しく歌えた」「震災の記憶はあんまりないけど、この歌を通してもっと知りたいと思った」という次世代ならではの力強さを感じる声が印象的でした。 最後に多賀城中学の皆さんから、セイコーに向けて同校の伝統であるエールを披露いただき、さらに保護者の方からはサーカスの皆さんへ花束の贈呈もあるなど、あたたかい気持ちの交換でこの日のわくわく音楽教室は幕を下ろしました。

セイコーわくわく音楽教室 写真

はじめての「わくわく音楽教室」で感じたこと

セイコーわくわく音楽教室 写真

サーカスの皆さん、第一回目のわくわく音楽教室はいかがでしたか?

ありささん(写真左から二番目): みんなの笑顔がどんどん見えてきたことが嬉しかったです。140名とはいえ、できるだけ一人ひとりと接したいなぁと思っていました。自分が中学生の時にこんな大人にこういう言葉をかけてもらえたら嬉しかったな、と当時の感覚を思い出して、少しでも歌を通して伝えられたら、とみんなの中に入って考えていました。

高さん(写真左):中学2年生、多感な時だと思うけど、歌いながら”打ち解けたい”という気持ちが滲み出ていて、最後はとっても一体感がありました。みんなの中に入って歌声を聞いていると、とても気持ちが良かったです。

正子さん(写真右から二番目):わたしは同じ年齢のころ、海外の音楽をたくさん聞き始めたこともあって、今日は当時の自分と重ねてみんなを見ていました。歌うごとにどんどんエネルギーが出てきて、この時間内で成長するみんなの様子を見れて嬉しかったです。

吉村さん(写真右):僕の方が元気をもらいました。たくさんの生徒さんの中には、歌が好きな子も苦手な子もいると思うんですが、みんなで一緒に歌うって楽しいですよね。合唱にはまさに、希望と絆があると思いました。

わくわく音楽教室は今回が第一回目でしたが、どんなことに期待しますか。

ありささん:ハーモニーってひとりではできないことなんですよね。みんなで集まって作り出すという意味では、日々の暮らしもハーモニーだと思っています。わくわく音楽教室ではそういうことを含めて伝えていけたら、生活にも彩りが出るように思いました。

今日のみんなはとても小さい時に震災を経験して、「希望と絆」を書いた愛恵ちゃんもそうですが、それでも子どもたちが明るく元気に、楽しい思い出を作ろうとしている姿を見ると、大人たちもつられて元気になると思うんです。わくわく音楽教室も、みんなの楽しい思い出を作るきっかけになれたら良いですね。

セイコーわくわく音楽教室 写真

今日のわくわく音楽教室に参加した多賀城中学2年生の皆さんも、感想を教えてください。

元木さん(写真右):サーカスさんは両親や祖父母が聞いていた歌手の方ですが、年齢に関係なく一緒に楽しむ時間がもてたことに、歌には力があると思いました。

松田さん(写真右から二番目):みんながとても楽しそうに歌う様子をみて、次の合唱コンクールが待ち遠しくなりました。みんなで一緒にやる気を出したり、上手く揃えて歌うのは難しいことだと思っていたので、楽しそうなみんなを見れて嬉しかったです。

蔦さん(写真左から二番目):パートごとに分かれて歌っていたのを合わせた時、学年全体の一体感を感じて、サーカスの皆さんがうまく引っ張ってくれたんだと思いました。

佐藤さん(写真左):ハーモニーをつくることの楽しさを実感できました。歌詞は自分たちの先輩が作ったと知り、私もいつか歌を作ったり作詞をしたりすることにチャレンジしてみたくなりました。

セイコーわくわく音楽教室 写真

「希望と絆」の作詞をした愛恵さん、わくわく教室を母校で見届けてどんなお気持ちですか。

愛恵さん:このような形で後輩の皆さんに歌っていただけることがとてもうれしいと感じています。私よりも3つ年齢が違う皆さんの中には、東日本大震災の時の記憶がない人も多いようですが、この歌で繋いでもらえるとしたらうれしいです。

今でも時々、歌詞を書いた時の気持ちを思い出すことがあります。勉強や受験など、何か困難があっても、乗り越えた先には明るい未来があることを思い出せるからです。高校でも、辛いときに前を向きたくてこの曲を聞いたりしていました。春からは大学に行きますが、助産師という夢を変えるために一生懸命勉強したいと思っています。多賀城中のみんなも、夢に向かってがんばってもらいたいです。応援しています。

セイコーわくわく音楽教室 写真

中里校長先生、今日のわくわく音楽教室はいかがでしたか。

中里校長:私は去年の春に多賀城中学に赴任してきたのですが、橋本元校長や、「希望と絆」制作当時の松尾元校長のおかげもあって、このような機会が実現でき、本当に良かったと感謝しています。サーカスの皆さんに気持ちよく乗せていただき、子どもたちの表情が生き生きとしていく様子が見れたことも嬉しかったです。 2年生は普段から元気で賑やかな学年なんですが、イベントなどがある時はきちんと取り組める子たちです。去年10月の合唱コンクールでも、マスクはつけたままでしたが、とても元気に歌ってくれました。コロナ禍以降はじめて、自由曲と課題曲という2曲ずつ歌う構成に戻った年で、リーダーの子たちのがんばりもあり、3年生に負けないくらい素晴らしい歌声だったんです。 今日は卒業生である愛恵さんの書いた歌詞という思い入れもあったと思いますし、また次の合唱コンクールに向けて、彼らの歌う心に火がついたらうれしいです。

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