• #
  • #

子どもたちが待ちわびた「セイコーわくわくスポーツ教室」が開催されました。今回はセイコースマイルアンバサダー(スポーツ担当)の福島千里さんを講師に迎え、目黒区緑ヶ丘小学校の4年生を対象に陸上授業を行いました。

セイコースマイルアンバサダーとは:競技を引退した福島さんは、「セイコースマイルアンバサダー(スポーツ担当)」に就任しました。子どもたちにスポーツの楽しさや感動を伝える「セイコーわくわくスポーツ教室」などを通じて次世代育成に貢献していきます。

陸上短距離の100m・200mで日本記録を持つ“本物のアスリート”が直接指導する機会に、参加した子どもたちは一様に大興奮。さらに“本物の計測機器”を使ったタイム計測によって、正確なタイムを知る機会になりました。本記事では、当日の楽しい学びの場の模様をたっぷり紹介します。参加した児童の感想や福島さんへのインタビュー、担当社員からのコメントも掲載しています。

スポーツと時について考える「セイコーわくわくスポーツ教室」

スポーツ教室の様子

「セイコーわくわくスポーツ教室」は身体を動かす楽しさ、夢を追う大切さ、そしてスポーツを支えるセイコーの計時計測の技術を学ぶ体験プログラムです。世界で活躍する一流のアスリートから実技を交えて身体を動かす楽しさを学び、世界陸上などの国際大会で実際に使用する機材を使った体験ができます。そうした本物と触れる体験を通して、次世代を担う子どもたちにスポーツと時について考えてもらうことを目的としています。

まずはセイコーとスポーツの関わりについてのミニ授業。スポーツにおける時間の大切さを踏まえ、セイコーの歴史やスポーツとの深い関係についてクイズ形式で楽しく学びました。そして、福島さんが講師を務める授業では、「短距離走を速く走るためのレッスン」を開催。最終的には15m走のタイムを計測するプログラムです。

さらに、もっとも速かった児童は福島さんと直接対決できるという特典も!陸上女子100m、200mの日本記録保持者の福島さんに直接指導してもらえる――まさにわくわくしっぱなしの2時間半になりました。

イベントレポート「福島さんに学ぶ、速く走るためのコツ」

福島選手登壇

参加したのは43名の4年生。この日を思う存分に楽しむために、福島さんについてたくさん予習してきたようです。一流のアスリートである福島さんが登場すると、「かっこいい〜!」と大きな歓声が上がりました。

スポーツ教室の様子

みんなの歓声に応えるべく、「ご挨拶の代わりに……。」と福島さんが披露したのは、助走なしのジャンプで舞台に飛び乗るという超人技!羨望の眼差しで見つめる児童たちに向け、「今日の授業を頑張ったら、みんなもできるようになるかもしれませんよ!」と言い、会場は笑顔に包まれました。

スポーツ教室の様子

いよいよ授業がスタート!前半は、福島さんが速く走るコツをレクチャーします。もも上げ、腕振り、ジャンプ、スキップ、大股走と速く走るために必要なポイントを学び、一緒に身体を動かしながら練習を重ねていきます。

スポーツ教室の様子

福島さん、自らお手本を見せての熱血指導。「速く走るためには足だけでなく腕も意識することが大事です。手のひらが顔の前に見えるまで腕を大きく振るよ〜!」「強く速く動かそう!1、2、1、2……。」

スポーツ教室の様子

後半は、これまでのレッスンを踏まえて15mダッシュに挑戦。前半で学んだ身体の使い方だけでなくスタートダッシュのコツも教えてもらい、ラストのタイム計測へ向けての準備は万端です。前傾姿勢をつくり、あごを引き、見つめる視線のその先にはしっかりとゴールを捉えています。

スポーツ教室の様子

授業の最後は、15mダッシュのタイム計測に挑戦!陸上の国際大会などで実際に使用されているセイコーの計測機器やランニングタイマーを使い、正確なタイムを計ります。

スポーツ教室の様子

ランニングタイマーについて、「ゴールをした瞬間にタイマーを見るくらい、私たちにとって大切な存在です。」と言う福島さん。セイコー社員からも、「どこからでもタイムが確認できるように、横向きでも見やすいようにつくられているんですよ。」との説明があると、「すご〜い!」と驚きと感心の声が上がりました。

スポーツ教室の様子

3秒台後半〜4秒台のタイムが多いなか、3.01秒という圧倒的な速さで1番になった男子児童が福島さんとの直接対決に挑みます。

「頑張れ〜!」という声援の中で始まった15m1本勝負。結果は、2.93秒で福島さんの勝利!トップアスリートの走りを間近で見た児童たちは、そのスピードに驚き、大興奮の様子。この日一番の盛り上がりを見せながら、笑顔で授業が終了しました。

スポーツ教室の様子

みんなで走るって楽しい!スポーツから得た学びと、将来への期待

スポーツ教室の様子

走ること、身体を動かすことの楽しさを身をもって学んだ、「セイコーわくわくスポーツ教室」。実際に体験した児童のみなさんと担任の先生に、授業の感想を聞いてみました。

児童のみなさん、今日の教室はいかがでしたか?楽しかったことや勉強になったことなど、感想を教えてください。

女子児童「みんなで一生懸命走って楽しかったです!私は走るのが遅いほうなのですが、意外と速い記録が出たので、今日の練習のおかげだと思いました。福島さんにも“練習すれば絶対に速くなるよ”と言われたのが嬉しくて、勇気付けられました。」

男子児童「インターネットで、金メダルを7個も獲得したというのを知って“すげー!”と思っていたけど、会ってみたら迫力があって、もっとカッコよかった!世界の大舞台で活躍していた人と一緒に走れるなんてすごいことだと思いました。」

藤井先生

藤井先生、本日はありがとうございました。子どもたちの様子は、普段と比べていかがでしたか?

藤井先生「普段は非常に元気で活発なクラスなのですが、最初は緊張していたようでした。“福島さんがどんな選手なのか” “わくわくスポーツ教室はどんな教室か”を事前に予習したのですが、おそらく調べれば調べるほど“すごい選手が来る”と感じて、楽しみかつドキドキしながら待っていたのだと思います。でも、実際にお会いして、一緒に練習していくなかでテンションが上がっていき、いつもよりも集中して、意欲的に取り組んでいたのがよく分かりました。」

今回の教室を受講された児童のみなさんに、これからどんなことを期待されていますか?

藤井先生「福島さんが陸上を始めたのはこの子たちと同じ年頃、小学校4年生の時だと伺いました。子どもたちも、これから自分の将来の夢や目標を実現するために色々と考えたり行動したりするはずです。今日の学びや、わくわくした気持ちが、そんな取り組みのひとつのきっかけになってもらえれば良いなと思っています。」

集合写真

アウトプットまでが技術。「教える」ことで深まる、自身のRUN

福島選手インタビュー

スポーツを通して、子どもたちに「わくわく体験」を伝えてくれた福島さん。講師としての感想を聞きました。

福島さん、本日はお疲れ様でした。今回の教室を振り返ってみて、いかがでしたか?

福島さん「私自身、人に教える経験がまだまだ少ないので不安や心配がありましたが、子どもたちの熱気と元気、パワーを目の当たりにして、驚いたのと同時に感動しました!おかげで、私も一緒になって楽しみながら教室をやらせてもらえました。また、私が陸上を始めたのも今日の子どもたちと同じ小学4年生だったので、自分の子どもの頃のことを思い出してしみじみしましたね。もも上げひとつでも、“教えるのってすごく難しいなぁ”と感じたので、当時のコーチや先生に感謝の気持ちが湧いてきました。」

小学生を対象とした陸上教室ということで、指導にあたって意識したことや気をつけたことはありますか?

福島さん「これ・それ・あれ・どれといった“こそあど言葉”をできるだけ使わないように意識していました。例えば“あそこまで行こう”ではなく“黄色の線まで行こう”というように、楽しく集中するために分かりにくい抽象的な表現は避け、具体的な指導を心がけました。あとは、飽きないようにプログラムにメリハリをつけたり、説明は短くしたりなどの工夫も行いました。」

今回の教室では講師という立場でしたが、反対に、「子どもたちから学んだ」ことがあれば教えてください。

福島さん「一分一秒が学びでした。現役の頃は自分のことばかり考えていましたが、こうして教えることが自分自身を振り返ることにもつながっていると感じました。ほぼ無意識で行っている動きを言葉に落とし込み、アウトプットできるまでが技術だなと。もうひとつ、競技スポーツはどちらかというと苦しみとの戦いの時間のほうが多いのですが、自分が普段やっていることを楽しそうにやってくれているのを見ると、“やっぱり走るのっていいな、私も頑張らなきゃな”と改めて思わされました。みんな本気で楽しんでくれていたので、最後の競争では私も本気で走りました!こうして“本物”を見せられるうちは、どんどん見せていけたらと思っています。」

“2つの本物”を子どもたちに身近に感じてもらう機会に

遠藤さん写真

わくわくスポーツ教室を担当するセイコー社員の遠藤周さんにも運営側の想いを聞きました。

わくわくスポーツ教室はセイコーにとってどんなプロジェクトでしょうか?

遠藤さん「社会貢献活動の一環として、2018年頃から取り組んでいるプロジェクトです。セイコーでは2015年からアスリートのサポートをしていますが、選手が競技に集中できるようサポートするのはもちろん、実績を積んだ選手のセカンドキャリアを企業として支援することも同様に取り組むべきだと考えています。わくわくスポーツ教室では選手に指導の機会をもたらしつつ、次世代の子どもたちの育成につなげることで、社会的に価値のある活動にすることを目指しています。

また、セイコーはスポーツ分野においてアスリート支援だけでなく、国際大会をはじめとした様々な大会でオフィシャルタイマーを務めるなどさまざまな取り組みを行っている企業です。こうした活動を通して、“時計を作っている会社”に加えて、“さまざまな時に携わる会社”であることを広く知っていただけるきっかけになればと思っています。」

遠藤さん自身もアーチェリーをプレーするアスリートですが、セイコーの取り組みにどんなやりがいを感じていますか?

遠藤さん「私はアーチェリーの大会で設置されたセイコーのタイマーを見てこの会社を知りました。その後、ご縁があってセイコーに入社し、今ではスポーツにおける取り組みの最前線で携わらせていただいていることを非常に嬉しく思っております。また、ひとりの競技者として、アスリートが持つメンタリティには学ぶものが多くあります。私もプロジェクトにおいて“できる・できない”ではなく、みんなの“やりたい”という想いの実現に注力していきたいです。そしてセイコーは世界トップクラスの計時計測の技術を持っているので、その裏で私たちのような技術を支える仕事があることをより多く発信していきたいです。」

 最後に今後のわくわくスポーツ教室の展望や期待することについても教えてください。

遠藤さん「陸上教室の第2弾、第3弾はもちろん、今後は他の競技においても同様のイベントを開催していきたいです。今日は子どもたちの笑顔や楽しんでいる様子が見られ、想像以上の盛り上がりだったと手応えを感じています。子どもたちは“本物のアスリート”である福島さんの指導を受け、セイコーの“本物の機材”で正確なタイムを計測しました。“2つの本物”を体験できたことは、これからの子どもたちの人生においても大切な思い出になるのではないかと考えています。今日参加した子どもたちの中からトップアスリートやセイコーの未来を担う技術者が出てくれれば、それ以上に嬉しいことはないです。」

  • この記事をシェアする
  • facebook
  • x
  • line
福島千里

セイコースマイルアンバサダー(スポーツ担当)
福島千里

北京・ロンドン・リオデジャネイロと3大会連続で世界の大舞台に出場。女子100m、200mの日本記録保持者。日本選手権の100mで2010年から2016年にかけて7連覇を成し遂げ、2011年の世界陸上では日本女子史上初となる準決勝進出を果たした。引退後は「セイコースマイルアンバサダー(スポーツ担当)」に就任。「セイコーわくわくスポーツ教室」などの活動を通じて次世代育成に貢献している。

おすすめの記事

Pick Up Contents

合わせて読みたい関連記事

セイコー サステナブル・ストーリー

About

サステナブル・ストーリーとは、持続可能な社会に向けて、
セイコーだからできるサステナブルな活動を発信していく
Webメディアです。