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人間の肉体の可能性に挑み続けているアスリート。それを支える数多くのスタッフ。新しいトレーニング方法やフォームの改善、用具に至るまで日々研究と開発を行い、記録の更新を目指しています。そして世界新記録が誕生すると、大きなニュースとして取り上げられます。

たとえば陸上競技における世界記録の多くは2000年代に入ってから更新されていますが、20年・30年と記録が保持されたままの競技も存在しています。その中でもこの先、当分破られることがないと言われている競技が「やり投」です。チェコの選手が1996年に98m48で世界記録を更新しました。この記録が不動と呼ばれているのは、2位の記録に4m以上も差があること。2位から10位までは2m85の中にひしめいており、4mもの差がいかに大きいかが分かります。

ちなみに、このやり投げには規格改正がありました。そのきっかけとなったのが、1984年にベルリンで行われた競技会で、人類史上初の100m越えである「104m80」という大記録が出たことです。これは、当時の世界記録をなんと5m以上も上回る記録でした。しかし、この大記録は競技場内のほかのアスリートに危険を及ぼす可能性を示唆するほどで、それ以来飛距離を抑えるために、やりの重心を変えた新規定が適用され、現行の公認記録は男子が1986年、女子は1999年以降のものになっています。こうした歴史を考えると、不動の世界記録もいつかは破られる日が来るのかもしれませんね。

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