完走サポートランナー
FINISH Support Runner
東京マラソン2019では、関門ギリギリのタイムで走る5人のランナーが、リアルタイムに「見える関門」となって、皆様の完走をサポートします。レース中にお見かけの際は、是非お声をかけてください。
そして、くれぐれも彼らに抜かれませんように!
完走を目指すランナーの方たちへ
このページでは、初マラソンを走るランナーや、完走を目標とするランナーの方々に、内山コーチから成功のコツを伝授します。
ランナーの日常のトレーニングは、最大でも1回に20kmから25km。フルマラソンは42.195 km。日常の練習の2倍の距離ですから、トレーニングのペースで最後まで走りきることはできません。ここにフルマラソンの難しさと面白さがあります。
レース前2か月間のトレーニング方法
これを克服するには、本番前の2か月のトレーニングに一工夫が必要です。
距離とスピードのトレーニングと同時に、「目標とするペースで走る」実戦練習 (ペース走) を行いましょう。
また、「これから」という時に故障するランナーが多いようです。
2月に入って不安感から走り過ぎなどオーバーワークに陥るケースが考えられます。
トレーニングの管理をしましょう。
ペース設定の方法
「42.195 kmを××時間○○分で走りたい」という希望と、日常のトレーニング、これまでの経験、当日のコンディションから得られる完走タイムは違います。
まず自分の実力を把握して現実的な完走タイムと、1kmあたりのペースを算出してみましょう。
完走タイムは、
5km走の記録(分)×10+α(分)
で算出します。
これを42(km)で割ればおおよそのペースが出てきます。
*月間走行距離が100km以下なら、10の代わりに11を掛けましょう。αは、給水・トイレタイムなど余分にかかる時間です。(5km走の記録×10+α)÷42
日常で5kmを30分で走っているなら、30分×10=予想される完走タイムは300分(=5時間)+α。
5時間÷42=約7分10秒/1kmあたりがペースとなります。
レース運び
もう一つ大切なことは、
「前半、ゆとりを持ったペースで走る」
「後半、頑張る」
ペースコントロールをしっかり行えるかが最も重要です。
簡単なことのようでなかなかできるものではありません。
前半飛ばし過ぎないで後半にどれだけ余裕を残せるか?にもかかっています。
レースでの失敗の大きな原因はここにあるのではと考えています。
東京マラソン2019のコース
比較的フラットなコースと評価されていますが、10kmから30km近くまでに極僅かなものを含め10カ所近くのアップダウンがあります。そのほとんどが川や運河を渡る橋です。
10km以降は往路・復路コースなので、短い距離とはいえ20回近くの登り下りを経験します。後半になればなるほど「脚に来ている」ので、短く傾斜が穏やかな坂道でもそれを厳しく感じます。
そんな時、登りは歩幅を小さめに、そしてランニングのリズムを変えることなく走りましょう。
下りは、ブレーキをかけないように足をほんの少しだけ前に運びましょう。
フルマラソンは「自己実現型」のスポーツ。記録の善し悪しで評価は決まりません。市民ランナーに専属のコーチはいません。決められたトレーニングの時間もありません。これまでの苦労を思い出しながら走りましょう。きっと充実と感動のフィニッシュラインが待ち受けています。
- 隠れ脱水:「トイレに行きたくなるから給水は控える」これは間違いです。
- 寒い冬のレースですが給水はしっかり摂るようにしましょう。
- 途中、エネルギー源の補給だけでなく塩分などミネラル類の補給も心がけましょう。
完走のために最低限必要なペース
東京マラソンの制限時間は7時間ですが、後ろの方のブロックからスタートするランナーは、スタートラインを超えるまでに20~30分かかります。
更に給水・トイレタイムを含めると、確実に完走するには6時間程度で走る必要があります。
6時間÷42=8分40秒/km
全コース同じ速度で走ったとして、これが完走のための最低ペースです。
スタートから二つ目の関門通過まで
しかし実は、スタートラインまで時間のかかったランナーには、二つ目の9.9km (日本橋南詰) の収容関門が、最も時間的余裕のないチェックポイントとなります。
スタートライン通過時刻が9:40と設定すると、
5.6km収容関門 は、 閉鎖時刻が10:30ですので、50分の時間があります。最低ペース8分55秒/ km ということで余裕があるように見えますが、
9.9km収容関門 の閉鎖時刻が11:00なので、5.6km収容関門通過がギリギリだと、そこから9.9km収容関門まで7分を切るハイペースを強いられます。ここが一番のネックです。
スタートから1時間20分の時間があるので、9.9km収容関門を通過するまでには8分/km程度のイーブンペースで進むことを考えましょう。
中盤(25km)からのヤマ
中盤以降で制限時間が厳しいのは、25.7km(浅草橋交差点)から30.1km(数寄屋橋交差点)の区間です。
閉鎖時刻ちょうどで浅草橋交差点を通過すると、次の関門までの4.4kmを35分/ kmで走ることになり、ペースは8分/ kmを切ります。少し余裕をもって浅草橋交差点を通過したいものです。
最後に一言、
完走を目指す皆さんをサポートするため、
「完走サポートランナー」が、制限時間ぎりぎりで走ります。
「完走サポートランナー」の前に関門を通過して、一緒に夢を実現しましょう。