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スポーツクライミングの競技ルール・⾒どころを知ろう(3/4ページ)

高さを競う「リード」

最後の種目は「リード」です。これは「登った高さを競う種目」。12メートル超の壁を、6分間の制限時間内にどの地点まで登ることができたかで、記録が決まります。選手はロープと体を繋げるハーネスを装着し、途中のクイックドローという器具にロープを引っ掛けて安全を確保しながら壁を登り進んでいきます。頂上のクイックドローにロープをかければ完登、途中で落ちた場合はそこまでの高さが記録になります。基本的に、コースは非常に難しいレベルなので、完登者が続出するケースは稀です。頂上までのホールドに番号が振られていて、例えば20番目のホールドまでつかんだ状態で落ちたらスコアは「20」となります。

スコアが同点だった場合は、「カウントバック方式」といって、前のラウンドで上位だった選手が上の順位になります。それも同じだった場合はタイムを指標とし、落下(もしくは完登)までの所要時間が短かった選手が上位となります。

スポーツクライミング 写真

リードは「ホールド」がついた12メートルを超える壁を、制限時間内にどこまで高く登るかを競います。

◆ リードの見どころ

リードはボルダリングと同じく、基本的に「オンサイト(初見)」方式がとられているので、選手はスタートの直前にホールドの位置を知ることになります。そのため、こちらもやはりオブザベーションが重要になり、この判断を見誤ると、うまく先に進めなくなってしまったり余計なパワーを使ってしまったりして、記録がうまく伸びません。ひとつでも上のホールドにたどり着くためには、短時間で効率的なルートを見出さなければならず、そうした駆け引きに注目です。

リードは「より高く登る」というクライミング本来の醍醐味を感じられるダイナミックな種目であると同時に、「落ちたら負け」というプレッシャーも相まって非常に緊張感のある戦いが見られるでしょう。

3つを行う「複合種目」

最後に紹介するのが「複合」です。スピード、ボルダリング、リード、それぞれ種目別に競技が行うのではなく、ひとりで3種目すべてを行い、総合点で優勝を競います。

順位の算出方法は、スピード、ボルダリング、リードの順で3種目を行ってそれぞれの順位を出し、3つの順位を掛け算した数値をその選手のポイントとし、数字が小さい選手がトップになるというものです。

◆ 複合種目の見どころ

「複合」は、クライミングに関わるすべての資質を兼ね備えた選手が勝つ種目。つまりは、真の「最強クライマー」を決める戦いです。これまで大きな国際大会がこのスタイルで争われたことがないので、勝利の行方を読むのが非常に難しく、また1種目、2種目が終わっても3種目で最終順位が大きく変わる可能性もあるため、目が離せない展開が予想されます。

さらに、3種目は同じクライミングでも求められる能力や資質が違うため、どの選手がどの種目で勝負をかけるか、といった駆け引きも面白くなるでしょう。たとえば、日本の選手で言えば、定評があるのはオブザベーション力が問われるボルダリングや、持久力が必要なリードですが、瞬発力が求められるスピードを得意としている選手は少ないなどの特徴があります。

これらを総合的に見て、どの選手が勝利に近づけるのかを考えながら見てみると楽しいかもしれません。

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