陸上選手
福島千里時問時答

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走りながら、新しい感覚を探している。

普段、どのような 1 日を過ごしていますか?

1 回練習の時は、朝練習に行き、お昼過ぎくらいまでやって。もろもろ家でして、寝ます。2 回練習の時は、午前中練習に行き、午後も練習に行き、帰ってきてお休みっていう感じです。

普段の練習スケジュールを教えてください。

基本的には、木曜日と日曜日がお休みなんですけれど。私の場合は。

練習時、特に意識されていることはありますか?

今より、昨日よりも速く走るために、走ったことないタイムで走るわけなので、新しい感覚などを見つけて自分から必然で見つけていくことをしていかないと、見ようとしないと、感覚を感じようとしないと(いけない)。今やった走りが、無駄ではないですけど、しっかり練習として、練習の質を上げるために集中して「こういう感覚を得たい」だったり、「こうしたらどういう感覚になるんだろう」というものを必ず集中して見つけようとして(います)。ただやるではなくて、自分からしっかりやりに行くっていうところはすごく(意識していますね)。ずっとやっていたら疲れてしまうので、あえて、何も見つけようとしないわけではなくて、こう、あえてやらないというか、やらない日もあるかもしれないですけど。日というかその本数を、あえて意識しないでやった結果、例えば、どのような意識になるのかみたいな。そういうふうに、あえてしない時もあります。けれど、基本的には、自分からしっかり集中して見つけに行かないと得られない感覚っていうのは絶対たくさんあると思うので、自分からきちんと練習しに行って、走りに行って、見つけに行ってという中で、そういうメンタリティーで練習をやっています。

福島千里

走る中で「感覚を掴む」瞬間、どのようなことを考えているのでしょうか?

「あ、なんかこれ違うな」「これ良かったな」って、その「良かったな」を「じゃあなんで良かったんだろう?」とじゃない(分析しない)と、次またよかったり、同じことができなかったり(します)。でも、その同じ良かったことに、執着ではないですけれど、それが良かったと思ってしまうと、それ以上の良かった(こと)に出会えない可能性もあります。常に新しい気持ちでいろんなこと、いろんな感覚を試して、やっていこうかなという気持ちではいます。

走ることは、福島さんにとってどのような感覚なのでしょうか?

レースの瞬間は、ただただ集中して、練習でやってきたことを表現する。プラスアルファ良い記録が出たらいいなという。もっともっとシンプルに速く走る。自己ベストを出す。今までより速く走るっていう感じでやってきました。

トレーニングと試合とで、気持ちや意識の変化はありますか?

やるべきことが場面場面、その場所場所で変わってくるので、そこに対してはしっかり集中してやっています。自然とむしろ切り替えようと思わなくても、切り替わっているのではないかなとは思います。

福島千里

ご自身の性格は関係していると思いますか?

真面目なんで。嘘です。そうですね。分からないです。多分そこの切り替えようという問題にぶち当たってないのかもしれないです。なのでありのまま、ですかね。

自由な時間は、今はいらない。

日々、生活している中で、特に好きな時間はいつでしょうか?

好きな時間……。ゆっくりしている時間です。おうちで。それこそ理由なく過ごしている時間。意味なく、意味なく、例えば犬撫でたりとか。そういう必然じゃなくて、偶然起こる中でこう何もしないっていうのも、「何もしない」って思わないと何もしない時間なんて作れないじゃないですか。そうではなくて、そういう何かしよう、こうしようとかではなく、そう思ってない時間がのんびりなのではないかなというふうに自分では思っていて。そういう時間がすごくハッピーです。

自由時間があったらやりたいことはありますか?

今はシーズン中ということもあり、この与えられた環境の中、時間の中でやりくりしているので、逆にポッて空くと、余計なことしてしまうかもしれない。余計って何かわからないですけど、余計に、例えば練習したりとかして怪我するかもしれないですし。犬の散歩をしていてうっかり捻挫した。が、許されるわけではないじゃないですか。なので、根底には、軸にもなっていますし、陸上というものが。明日こういう練習するとかも大体決まっていますし。その中で、明日のために今日どう過ごすか、今日の練習こうだったから午後どうやって過ごそうというのも、必ずその陸上の練習の間にあるもので。それがストレスっていうわけではなくて、それはもう今の自分の生活の一部ではあるので。うっかり怪我しないとか、絶対許されるわけじゃないので。無理しないとか。高いところから飛び降りるなんてないですけれど、何も考えてなかったらするかもしれないですけれど。「一応明日練習あるし」とか、例えばですが。怪我したら困るなというのは、絶対どこかにそこにブレーキがあるので、必ずどこかには忘れずに、というか、それで忘れる忘れない以前のベースであるのかなとは思います。

福島千里

1人だと思って走ったことは、一度もなかった。

短距離走は、究極の個人競技のようだと感じていますが、どのように感じていますか?

レースは最後1人かもしれないですけれど、その前に支えてくれている人は本当にたくさんいて。なんならもう 1 人でなんて逆に何ができるんだっていうくらい、1 人でできることって本当に少なくて。なので、練習メニューを立ててくれたコーチがいたりとかケアしてくださる方がいたりとか、トレーナーさんがいたりっていうのも含めて。たくさんの人たちの力のパワーみたいなものが詰め込まれた状態でレースに臨むので。そして、チームメイトがいて、応援してくれている方たちがいて、やっとレースができる。1 人で走るけれど、大会自体 1 人でなんて絶対できないですし。なので、1 人だって思ったことが多分一度もないかもしれないです。常にみんなとやって。その上で(同じセイコー社員の)山縣さんっていうチームメイト。日本一速いと思っているんですけれど。やはり短距離、同じ種目で、一番速い選手を身近で見れて一緒に練習ができるのは、すごく素晴らしい環境だったと思っています。それこそたわいもない会話から、練習でのグランドレベルの会話も含めて、勉強になるところというのは本当にたくさんあるのではないかなというふうに、すごく心強い存在ではあると思います。やっぱり、タイミング、練習に行って、タイムを1番で切って、自分の記録が日本記録だった時に、一緒にあそこで写真を撮るのは、やはり一回経験している。でも、自分の個人の種目では、前の所属の時もなかったですし、だからこそ、このセイコー所属で、セイコーのタイミングで取れたら最高だなという夢はあります。

福島千里
(撮影:Ayumi Yamamoto)
※本内容は音声でお聴きいただくことも可能です。文章では話の内容をよりわかりやすくするために言葉の調整や補足をした箇所があります。音声と文章、どちらもお楽しみいただければと思います。

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プロフィール

福島千里
福島千里 陸上選手

1988年北海道生まれ。小学4年の時に陸上を始める。スピードスケートの経験もあり、スケート選手の高木姉妹は高校の後輩にあたる。2008年北京五輪では日本人女子として56年ぶりに100メートル競技で五輪代表選出される。その後ロンドン、リオデジャネイロと3大会連続出場。女子100m、200mの日本記録保持者。日本選手権の100mで2010年から2016年で7連覇を成し遂げ、2011年の世界陸上では日本女子史上初となる準決勝進出を果たした。2018年セイコー入社。

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